中央競馬:予想予想

2019.6.8 14:57

【居酒屋ブルース】日曜東京11R

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 【東京11R・エプソムカップ】

 ひいきの居酒屋のカウンターに座ると、おしぼりを持ってきたスタッフの琢磨が笑顔で話しかけてきた。

 「カンパイですね」

 そうだね。

 「乾杯のお酒は何にします?」

 いや、お酒はいいよ。“いつもの”ヱビスビールをちょうだい。カンパイといってもその乾杯じゃないから。

 「なぜ? 馬券が当たったのに乾杯もなしとはどういうことですか?」

 馬券が当たっていないんだって。だから、カンパイは乾杯でなく完敗。

 「またまたご冗談を。アーモンドアイが3着に負けたのは残念ですが、その馬が軸の3連複を買っていたはずです」

 確かにアーモンドアイ軸の3連複を買っていたけど、印と買い目を見てよ。

 「えーと…◎アーモンドアイで、◯サングレーザー、▲ダノンプレミアム。△は8頭もつけていますね。勝ったインディチャンプもしっかり入っています。買い目は…《3連複》1頭軸ながし⑭-①④⑤⑧⑨⑩⑪⑬⑮⑯。2着の②番アエロリットがいない!」

 そうなんだよ。だから乾杯でなく完敗というわけ。

 「それにしても、3番人気の馬をヌケにするとは…」

 ダノンプレミアムが直後でプレッシャーをかけるから、しまいの脚が鈍るはずと読んだんだよ。ところが、ダノンプレミアムは出遅れて、しかも外にいたロジクライが進路を妨害して後方からの競馬に…。思い描いていた展開と全く違ったものになっちゃった。

 「お気の毒さまです」

 こっちよりお気の毒な人がいるので、そっちを慰めたほうがいいんじゃない。

 「桃ですね」

 暗すぎてシルエットくらいしか見えないよ。落ち込んでいることを表す比喩(ひゆ)的表現だけどね。

 「ドンマイ、桃」

 「ダノンプレミアムが最下位…」

 「ゴールしたあと鞍上の川田が下馬したときはヒヤッとしたけど、なんともなくてよかったじゃない。まだまだターフで雄姿を見られる機会があるよ」

 「それはそうですけど、最下位ということは、今週の予想は私から披露しなくちゃいけないんですよね。落ち込みすぎて、まだ本命選びに取りかかっていません」

 「ということですが、どうします?」

 じゃあ、桃ちゃんの次に本命馬の着順が悪かった琢磨から披露してよ。

 「ペルシアンナイトが10着…」

 桃ちゃんのまねはいいから、よろしく。

 「はいはい。エプソムCの本命はミッキースワローです。セントライト記念の勝ちやジャパンC5着などからこのメンバーでは実力が一番なのは明らか。前走の新潟大賞典も見ても分かるとおり、直線の長い左回りでの末脚の威力はすごいですよ。おそらく1番人気になるでしょうが、今の府中の前残り傾向とこの馬の脚質が嫌われて、単勝3倍台に落ち着くようなら狙っていいかと」

 マーメイドSは?

 「クィーンズベストを狙います。上位人気が予想される馬たちの斤量が53~55キロに対して、この馬は52キロ。軽ハンデ馬同士の決着も十分あるメンバー構成です」

 桃ちゃん、本命馬は決まった?

 「まだです」

 仕方ないね。じゃあ、もりやさんよろしくお願いします。

 「先週は5着のサングレーザーとともにチーンでした。それにしてもアーモンドアイは負けて強しですね! 不利がなければ勝っていたと思います。気持ちを切り替えて今週の予想です。私のマーメイドSの本命は…ダラララララララララ。◎はダンサールです。○はスカーレットカラーで、▲はモーヴサファイアです。ここはかなり感覚で選びました。本命は、とにかく馬名が気になる!との思いで選びました。なんかほっとけない名前ですよね~。ダンサール。あと軽斤量の藤岡康太は馬券に絡むイメージです。今年はこの馬が波乱を呼ぶでしょう!」

 エプソムCは?

 「私のエプソムCの予想は…ダラララララララララ。◎はソーグリッタリングで、○はダノンキングダム、▲はショウナンバッハです。比較的荒れないといわれているレースですが、今の東京は読めないですね。さらに週末は雨予報で梅雨入りしました。ここは晴雨兼用のステイゴールド産駒です。先週のインディチャンプもステゴ産駒、青嵐賞もステゴ産駒のバレリオが勝ちました。目黒記念を勝ったルックトゥワイスもステゴ産駒です。前走、前々走の走りを見て『強いなぁ』と感じたし、力のいる馬場もこなしてくれそうです。それにダービージョッキーの浜中が乗りますからね。居酒屋ブルースがよく言う『調子がいい騎手には続けて乗れ』だと思ってます」

 桃ちゃん、どう?

 「もう少し待ってください」

 はいはい。その前にカズマサの本命を聞いておくよ。よろしく。

 「エプソンCの◎はサラキアです。過去10年を見ると、前走GII組が【5・2・2・26】と飛び抜けていて、4歳馬が【7・5・2・18】(ともに左から1着・2着・3着・4着以下)と圧倒的に好走。この両方を満たすのがサラキアです」

 ここ2戦は7着と10着だけど。

 「ともに1600メートルなので、そこは無視で。東京の1800メートルなら変わります」

 久しぶりに決めぜりふが出たね。マーメイドSは?

 「こちらの本命はランドネにしました。秋華賞でアーモンドアイに0秒6差の6着。アーモンドアイの活躍を見れば評価できます。逃げ、先行馬の成績がいいので、先行力があって好位を確保できるのも◎の理由です」

 桃ちゃん、どう?

 「お待ちどおさまです」

 よろしく。

 「マーメイドSはモーヴサファイアを本命にしました。今回と同じ舞台だった前走は3馬身差の圧勝。とはいえ、準オープンだったので、54キロのハンデで出走できます。阪神の芝では【2・2・0・0】と連対率100%だし、連軸として一番信頼できると思います。エプソムCの◎はプロディガルサン。勝ち切れないレースが続いていたとき、モレイラさんが乗ったら勝ったのは昨年の9月。それから別の騎手になったら、また惜敗続きに。今回は初騎乗のレーンさんが勝利に導いてくれるのでは、と思っています」

 図らずも居酒屋ブルースがトリを務めることになった。勝負レースはエプソムCにするが、マーメイドSの予想も少々。

 本命はスカーレットカラー。近年は前走パールSとのつながりが強くなっており、過去5年でパールS組が4勝を挙げている。同2、3着のクィーンズベスト、サラスも出走してきたが、ここは1馬身以上の差をつけて勝ったスカーレットカラーに託す。ヴィクトワールピサ産駒なら馬場が多少重くなってもこなせるだろう。

 ◎スカーレットカラーから、◯センテリュオ、▲モーヴサファイア、△ウスベニノキミ、サラス、ランドネ、フローレスマジック、ダンサール、クィーンズベストに流す馬券を買ってみたい。

 さて、エプソムCだ。

 ここはアンノートルを狙ってみる。準オープンを勝っての昇級戦だが、ゴール前で見せた前走の伸び脚は見どころ十分だった。エンジンのかかりが遅くてなかなか抜け出せなかったが、鞍上がしぶとく追うとスパッと切れる脚を使えるのは大したもの。後ろからでも前からでも競馬ができるのは強みだし、週中の雨で速すぎる時計の出る馬場状態から脱却しそうなのもこの馬(父アイルハヴアナザー、母の父タイキシャトル)向きだろう。

 ◎⑬アンノートル
 ◯④ソーグリッタリング
 ▲⑧ミッキースワロー
 △⑥サラキア
 △⑦プロディガルサン
 △⑪カラビナ

《馬単》
 ⑬→④⑥⑦⑧⑪ 各200円

《馬連》1頭流し
 ⑬-④⑥⑦⑧⑪(5点) 各600円

《3連複》1頭軸流し
 ⑬-④⑥⑦⑧⑪(10点) 各600円

 「この金ぴかの建物はなんです?」

 またスマホの画面をのぞき見たの? これでもお客だよ。失礼だね、琢磨くん。

 「すみません。気になったもので」

 休みに上野公園に出かけたとき、初めて上野東照宮に行ってきたんだ。外国人の観光客がたくさんいたよ。

 金ぴかの建物は唐門(からもん)というんだって。その後ろにあるのが社殿。唐門には左甚五郎作の昇り龍・降り龍の彫刻があって豪華なんだ。国指定の重要文化財に指定されているんだって。出世、勝利、健康長寿に特に御利益があるとされているそうだよ。

 「馬券で御利益があるといいですね」

 そうだね。

◇◇◇◇◇◇◇◇◇

主な登場人物

カズマサ…ひいきの居酒屋の店主。馬券はデータ派

琢磨…ひいきの居酒屋のスタッフ。好不調の波はあるが、馬券が当たると好調が続く

桃ちゃん…ひいきの居酒屋のアルバイト。馬券のセンスが抜群の競馬女子(UMAJO)。ちなみに、居酒屋ブルースのUMAJOは、酒場のあすピー→バイトのマヤ姉(ねえ)→桃ちゃんと変遷

もりやさん…ひいきの居酒屋の常連客。競馬とお酒が大好き

鈴木学(すずき・まなぶ) 関東エイト担当部長 

レース内容・騎手・厩舎

堅め

3連複

プロフィル

第1次東京五輪世代(第2次は2020年に誕生)。1993年2月にサンスポの競馬担当となり、2年間のブランク(運動部デスク)を挟んで競馬にどっぷり漬かっている。サンスポ記者時代は予想コラム「鈴木に学べ」を連載も、たまに「鈴木が学べ」に。

予想スタイル

「3連複の軸馬」を◎にしている。3連単の期待値は3連複の6倍だが、人気馬が1着だと6倍以下になることが多い。人気馬を軸にするのなら3連複の方が得という考え。

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