中央競馬:予想予想

2019.4.13 14:54

【居酒屋ブルース】日曜中山11R《第2ステージから完全無料公開!》

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 【中山11R・皐月賞】

 ひいきの居酒屋の扉を開けてカウンターを見ると、異様なほどまぶしい。そうかと思えば、その奥の厨房(ちゅうぼう)は暗い。

 カウンター席で笑顔で日本酒を飲んでいる常連客のもりやさんの隣に座ると、彼だけスポットライトを浴びたように明るい。

 「比喩(ひゆ)的表現ですね」

 もりやさん、よくご存じで。

 「先週の居酒屋ブルースを読んだので。確か照明の明暗で、その人の気持ちの明暗を表しているので、比喩の中でも比喩であることが明示されていないものだから、暗喩(あんゆ)表現というんでしたね」

 はい。

 「厨房が暗いのは、馬券が外れた店主のカズマサさん、スタッフの琢磨さん、アルバイトの桃ちゃんがいるからですね」

 その通りです。

 「それにしても、桜花賞は鮮やかに新元号の“令和馬券”が決まりましたね」

 シゲルピンクダイヤの◎、お見事でした。

 「騎乗した和田騎手には、令和の“和”が入っていますからね。しかもピンクダイヤがピンク帽の8枠。これはサインだ!と。おかげさまで、ピンクダイヤ軸の馬単マルチ14点で払戻金5700円をゲット! ところが…」

 どうしました? いきなりスポットライトが消えました。

 「今週の火曜日、仕事で車の運転をしていたら警察に違反切符を切られてしまい…」

 お気の毒さまです。

 「来週はサンケイスポーツ賞フローラSが行われる日に東京競馬場に行くんです。桜花賞を当てて軍資金ができたと喜んでいた矢先にこれです。皐月賞も当てて、来週の軍資金を確保したいですね」

 その前向きなところがもりやさんのいいところです。

 「居酒屋ブルースもおめでとうございます。勝ったグランアレグリアが本命。こちらも“令和馬券”。先週の居酒屋ブルースに『グランア“レ”グリアには「レ」が、母タピッツフラ“イ”には「イ」が、藤沢“和”雄調教師には「和」が入っている』って書いてましたよね。さすがです。でも、どうして薄暗いんですか? 比喩的表現を考えると、馬券を当てた明るさじゃありません」

 馬券は当たりましたが…。

 「トリガミだったんですよ」

 フォローをありがとう、琢磨くん。

 「いえ。いつもは、私がもりやさんの立場なので」

 君の場合は、トリガミを知っていて聞いてくることが多いけどね。

 「それにしても、5990円の3連複を100円しか取れないとは、やはり…」

 馬券ベタ。そんなこと自覚しているよ。

 「単勝に1万円賭けていたら3万4000円も戻ってきたんですから、確かに馬券ベタですね」

 傷口に塩を塗るようなことを言わないでよ。久々が気になって頭で買えなかったんだ。

 「だったら、もりやさんのようにグランアレグリア軸の馬単マルチを買っておけば、5700円の馬単を600円買えました。これなら3万4200円戻ってきました」

 はいはい。

 「でも、印は◎△△で的中だから、馬単だけでなく3連単3万1810円も的中。買い目さえ公開しなければ、当たったことにできました」

 そうだね。たまには琢磨くんも持ち上げてくれるんだ。

 「そういえば、初詣でひいたおみくじの運勢のところに短歌が書いてありましたよね。なんでしたっけ?」

 〈さびしさに 何とは なくて 来て見れば うれし桜の 花ざかり かな〉

 ネットで調べるとYAHOO!知恵袋に

 〈寂しさのあまり、なんとなくここに来て見たら、思いもかけずに桜が満開であった。

おみくじの意味としては、

「そう落ち込むことはない。そのうちきっと良いことが訪れるよ」

…ぐらいの意味じゃないでしょうか。〉

 とあったよ。

 その下にある願望(ねがいごと)は…〈心ながくおもいまてば叶ふべし〉。

 「大阪杯に続いて桜花賞も的中。短歌と連動しています。願いがかなったのは、まさに桜の季節でした」

 確かに。

 「でも、印を的中させてもトリガミになるのが馬券ベタの居酒屋ブルースらしい」

 持ち上げておいてから落とす。琢磨はイヤミだね。でも、桜の季節はいいよ。この前も新宿へ買い物に行ったとき、花園神社で家内安全を祈ったんだけど、桜がきれいだったので思わず写真を撮ったんだ。今週は、それをトップに載せておくよ。

 「新大久保の皆中稲荷(かいちゅういなり)神社の次は新宿の花園神社ですか。手近なところで済ませていますね。近いうちに早稲田にある穴八幡宮に参拝しそうです。でも、居酒屋ブルースは穴狙いとはいえないから、行っても意味ないか」

 やっぱり琢磨はイヤミだね。そういえば、琢磨は人気馬を狙うときもあれば穴馬を狙うときもあるけど、今週の皐月賞はどっち?

 「当たるように、穴八幡宮に参拝してきました」

 穴なのね。

 「はい。でも、その前に『最後に予想を披露する人問題』を解決しましょう」

 君が「最後に予想を披露するのは予想が絶好調の人」と言ったそれね。先週は、最後に予想を披露した居酒屋ブルースが的中させたから、そのままでいいんじゃないの。

 「そうはいきません。トリガミだった居酒屋ブルースよりもっと上の人がいます」

 もりやさんね。

 「はい。今週のトリを務めるのは、もりやさんしかいません」

 わかったよ。では、もりやさん、最後をしっかり締めてください。

 「わかりました!」

 で、最初に琢磨の穴予想を押してよ。桜花賞で1番人気のダノンファンタジーを本命にして駄目だったから、今週は穴というわけだね。

 「いえ。昨年の皐月賞で7番人気のエポカドーロを本命にして馬券を当てたので、今年も…という思いです」

 で、本命馬は?

 「ランスオブプラーナです。これといった逃げ馬も他にいないので、楽に逃げられれば…と。先週の結果もあるので、ルメール騎乗のサートゥルナーリアに人気が集まるのが目に見えてます」

 ルメールが騎乗して桜花賞を勝ったグランアレグリアと同じぶっつけ本番だからね。

 「ですが、馬も厩舎も違います。ぶっつけでGIを勝つのは容易ではありません。馬券としては押さえつつも、ルメールが来なかったときの馬券を中心に狙ってみます」

 じゃあ、次は桃ちゃん。桜花賞はエールヴォアは残念だったね。

 「スタートでトモ(後肢)を滑らせてしまい先行できませんでした。先行していたら結果はだいぶ違っていたと思います。オークスでもう一度狙いたいです」

 その前に皐月賞を当てたいね。本命は?

 「琢磨さんが不安視しているサートゥルナーリアです。確かに馬も厩舎も違います。でも、放牧先で調教をつけているのは同じノーザンファームです。それに角居勝彦厩舎は、藤沢和雄厩舎よりぶっつけ本番に強いイメージがあります。今年だってシャケトラが1年1カ月ぶりの実戦だったAJCCを勝っているし、キセキだって有馬記念以来だった大阪杯で2着。心配ありません。能力の絶対値の違いで勝ってくれるはずです」

 続いてカズマサ、よろしく。桜花賞は狙っていたノーブルスコアがいいところなくブービーに終わっちゃったね。

 「あそこまで負けると悔しさもありません。皐月賞は穴狙いなどという色気を出さず、本気で取りにいきます」

 その強い思いで本命に選んだのは?

 「ダノンキングリーです。勝率が最も高い共同通信杯組から選びました。共同通信杯ではアドマイヤマーズなど実力馬が集う中、2着だった無敗の2歳王者アドマイヤマーズに1馬身差以上もつけて1着。前走1着馬は過去10年で【8・5・4・52】(左から1着・2着・3着・4着以下)と成績もしっかりしているので、ここはデータ的には鉄板かと」

 ありがとう。

 「さて、次は居酒屋ブルースの番ですが、どの馬を本命にするか楽しみです」

 どうして?

 「実は『’19春のクラシック大予想』が掲載されたGallopの2月24日号を読み返しまして…」

 読んじゃったんだ。

 「はい」

 居酒屋ブルースは先週から完全無料公開となった。その前までは読んだことがなかった皆さんがいるはずなので説明しよう。

 高松宮記念の予想の際、こう書いた。

 〈週刊Gallopの3月3日号に掲載された新企画「’19春の古馬GI大予想」で、ダノンスマッシュを高松宮記念の勝ち馬に挙げたからだ。昨年のGallopの好例企画「春のクラシック大予想」では、桜花賞馬アーモンドアイ、オークス馬リリーノーブル、皐月賞馬オブセッション、ダービー馬ワグネリアンと指名しながら、居酒屋ブルースで本命にしたのは皆無。オブセッションは出走しなかったから当然だが、他の3レースはそのまま本命にしていれば、アーモンドアイ1着、リリーノーブル2着、ワグネリアン1着と馬券も的中していたはず。

 その苦い経験を生かし(?)、今年は多少のことではGallopで事前に予想した本命を変えないと心に誓ったのだ。〉

 ここまでの3週、「’19春の古馬GI大予想」で挙げた馬を本命にして、高松宮記念は4着(ダノンファンタジー)で大阪杯は2着(キセキ)。後者は馬券も的中させた。3週目の桜花賞はGallopの2月24日号に掲載された「’19春のクラシック大予想」で挙げたグランアレグリアを本命にして予想が的中。

 「皐月賞馬に指名していたのはダノンキングリーでした。初志貫徹すれば、私とかぶります。どうしますか」

 初志貫徹でいくよ。

 「ということは、本命は私と同じ…」

 ダノンキングリー。いい流れを止めたくないからね。もちろん、サートゥルナーリアの強さには敬意を表すけど、この馬の最大目標は日本ダービーだと思っているんだ。同じキャロットファーム所属のレイデオロがぶっつけで臨んだ皐月賞は5着に負けて、続くダービーを勝ったじゃない。居酒屋ブルースはどっちも本命にしたけど、皐月賞で負けたときはショックが大きくてね。あの苦い体験を思い出すと、サートゥルナーリアに◎を打てないんだ。

 その点、ダノンキングリーはカズマサが言うようにデータが強く後押ししてくれる。今週号のGallopに載っている皐月賞の「データで斬る《傾向と対策》」を引用させてもらうよ。

 〈前走・芝1800メートル組が8勝を挙げ、そのうち共同通信杯勝ち馬が3勝と存在感をアピールしている。さらに当レースとの間隔が中8週以内となった2012年以降で、デビューから連対を外していない関東馬が【2・0・0・0】と出色の成績を収めている。本命には◎ダノンキングリーがふさわしい。〉

 東京新聞杯のレースぶり、特に瞬発力は、久々のサートゥルナーリアにも負けないと思わせるものだった。東京でも桜がまだ少しは残っている。桜の季節に3週連続的中といきたいね。

 それではもりやさん、どうぞ。

 「はい。私の皐月賞の本命馬は…ダラララララララララ。◎はシュヴァルツリーゼです。○はアドマイヤマーズで、▲はサートゥルナーリアです」

 穴を狙ってきましたね。

 「当初は堅い予想をしていたのですが、桜花賞のときと同じく、好きな馬を見つけたので本命を変更しました。この馬、私の好きなドゥラメンテみたいなんです。2走しかしてないのですが、ともに真っすぐ走ってないんですよ。特に前走の弥生賞では4コーナーで大きく外に膨れながら2着までに来ました。これは相当なポテンシャルを秘めていないとできない芸当ですよ。真っすぐ走ったら1着もあるのではないでしょうか。偉大な厩舎の先輩、ドゥラメンテに続いてほしいですね」

 みんなの予想が出そろった。最後に居酒屋ブルースの予想印と買い目を載せて、今週の予想を終わりにしよう。

 ◎④ダノンキングリー
 ◯⑫サートゥルナーリア
 ▲②サトノルークス
 ☆⑦ヴェロックス
 △①アドマイヤマーズ
 △⑤ランスオブプラーナ
 △⑩シュヴァルツリーゼ

 さて、問題は買い方だ。まずは的中。そしてトリガミは避けたい。頭を悩ました末、これで勝負する。

《馬連》
 ④-⑫ 3100円

《3連複》2頭軸ながし
 ④-⑫-①②⑤⑦⑩(5点) 各300円
 ②-④-①⑤⑦⑩(4点) 各300円
 ④-⑦-①⑤⑩(3点) 各300円

《3連複》1頭軸ながし
 ④-①⑤⑩(3点) 各100円

《3連単》
 ④→①②⑤⑦⑩⑫(30点) 各100円

◇◇◇◇◇◇◇◇◇

主な登場人物

カズマサ…ひいきの居酒屋の店主。馬券はデータ派

琢磨…ひいきの居酒屋のスタッフ。好不調の波はあるが、馬券が当たると好調が続く

桃ちゃん…ひいきの居酒屋のアルバイト。馬券のセンスが抜群の競馬女子(UMAJO)。ちなみに、居酒屋ブルースのUMAJOは、酒場のあすピー→バイトのマヤ姉(ねえ)→桃ちゃんと変遷

もりやさん…ひいきの居酒屋の常連客。競馬とお酒が大好き

鈴木学(すずき・まなぶ) 関東競馬エイト担当部長 

レース内容、騎手、厩舎

堅め

3連複

プロフィル

第1次東京五輪世代(第2次は2020年に誕生)。1993年2月にサンスポの競馬担当となり、2年間のブランク(運動部デスク)を挟んで競馬にどっぷり漬かっている。サンスポ記者時代は予想コラム「鈴木に学べ」を連載も、たまに「鈴木が学べ」に。

予想スタイル

「3連複の軸馬」を◎にしている。3連単の期待値は3連複の6倍だが、人気馬が1着だと6倍以下になることが多い。人気馬を軸にするのなら3連複の方が得という考え。

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