中央競馬:予想予想

2017.9.9 15:45

【居酒屋ブルース】日曜阪神11R《第1回産経賞で無料公開》

{"attribute":[{"baitai":"02","racedate":"20170910","racecourse":"09","raceno":"11","style":"02"}],"yosouka":76}

 【阪神11R・産経賞セントウルステークス】

 ひいきの居酒屋では、カウンターを挟んで緊急ミーティングが開かれていた。

 「参ったね」

 「ホント、参りましたね」

 「アジャパーでオーマイガーです」

 みんなが頭を抱えたのは先週の予想だ。小倉2歳ステークスで本命にした馬が、そろいもそろって負けたからだ。勝負レースにはしなかったものの、もうひとつの重賞・新潟記念も完敗。

 「まさかタツゴウゲキが勝つとは…」と店主のカズマサが頭を抱える。小倉記念で本命にして馬券を的中できた“恩”がありながら、新潟記念は「ハンデが3キロ増えるし、長い直線だと他の出走メンバーに長くいい脚を使える馬もいるので…」と軽視し、「ブリンカー効果で確変中の」マイネルフロストに本命を変えて轟沈(ごうちん)。勝負レースの小倉2歳Sも1番人気のモズスーパーフレアを本命にしたら7着に沈んだ。アルバイトのマヤ姉(ねえ)もモズスーパーフレアを本命にしてあえなく敗れ去った。新潟記念も本命にしたトーセンバジルが2番人気で7着。スタッフの琢磨は、新潟記念の本命ウインガナドルは10番人気で4着と健闘したものの馬券圏に入れず。小倉2歳Sに至っては、藤田菜七子騎乗のフローラルシトラスを本命にしたら最下位に終わった。琢磨くん、君の本命が最下位に沈むっていうのは何度目? ずいぶんあるように思うんだけど。

 「何度しでかしたか、もう忘れてしまいました」

 それだけやっているってことね。

 「そういう居酒屋ブルースだって、1番人気の馬を本命にして馬券を取れなかったことが何度あるんですか?」

 それを言われるとぐうの音も出ないね。先週もモズスーパーフレアが本命だし、先々週もキーンランドCで1番人気のモンドキャンノを本命にしたら6着。2週続けて1番人気を本命して馬券はかすりもせず…。

 「このままでは、再びデスノート化へまっしぐら。『居酒屋ブルースで本命にした1番人気の馬は外せ』という格言がそろそろ生まれそうですね。先週、馬券を当てていたら松っちゃんが競馬ファンになっていたはずなのに、これではあきれて競馬に見向きもしなくなっちゃいますよ」

 そうだった。先週、競馬をやったことのない常連の松っちゃんが、JRAの3連単は100円が3000万円に化けることがあると知って興味を持ってくれたのだ。小倉2歳Sを当てて新規の競馬ファンを1人増やす予定だったのに、この体たらく…。

 「でも松っちゃんなら居酒屋ブルースの本命を外して馬券を当てちゃったりして」

 やっぱり琢磨はイヤミだね。

 「今週は秋競馬開幕。ここを当てて好スタートを切りましょう!」

 そうだね。

 「ところで、今週の勝負レースは?」

 セントウルS。今年から産経賞の冠がついたので、社杯。予想を披露するならこのレースしかないよ。

 「確かに」

 でも、京成杯オータムハンデキャップの本命馬も教えてね。自分の馬券の参考にするから。

 「もちろん、居酒屋ブルースの本命も教えてくれますよね。それを外して買います」

 本当に琢磨はイヤミだね。

 「京成杯オータムハンデキャップの本命はダノンリバティです。前走の関屋記念でも本命にして3着に来てくれたので、今回もやってくれるかな、と。ハンデは重賞3着を挟んでも、2走前の中京記念と同じ56キロ。上位人気が予想される馬たちとはプラスマイナス2キロなので、ちょうどよさそうです。産経賞セントウルSはミッキーラブソングで勝負! ここは、秋のGI開幕戦のスプリンターズSを控えての実績馬の仕上がりに注意したいところ。ステップレースの実績馬はアテにしないのが自分流です。母娘制覇がかかる短距離女王ビリーヴの娘フィドゥーシアは、GIを見据えて仕上がり途上で臨むはず。同じく母がGI馬のミッキーラブソングは休み明け2戦目で、ここで賞金を加算しないとGIに出られないはずなので、今回は賞金を加算するためにビシッと仕上げてくるでしょう。人気薄の和田竜二騎手、12番人気だったヴィクトリアマイルを制して3連単228万馬券を演出した母コイウタの血が波乱を巻き起こすとみました。ところで、お酒のオーダーがまだですが…」

 そうだったね。じゃあ、いつもの。

 「ヱビスの中瓶!」

 いつになったら、ヱビスさまの魚籠(びく)に鯛の尻尾が描かれているラッキーヱビスに出会えるんだろうね。

 「馬券だけでもこんなに持っていないので、1万本くらい飲まないと駄目なんじゃないですか」

 イヤミだね。

 「はい、ヱビスです」とマヤ姉。

 ありがとう。ついでに姉さんの本命を教えてくれないかな。

 「セントウルSはフィドゥーシアが本命です。琢磨さんはGIを見据えて仕上がり途上で出走するとみていますが、この馬は重賞未勝利ですよ。GIの前に、まずは重賞を勝っておきたいというのが陣営の本音ではないでしょうか。約2カ月ぶりの前走をひと叩きして臨む今回こそ重賞タイトルを…というのならきっちり仕上げて臨むはずです」

 琢磨にけんかを売ったね。

 「お母さんのビリーヴもセントウルSで重賞初勝利を挙げて、続くスプリンターズSでGI初制覇。娘も同じ道を歩んでほしいですね。京成杯AHは琢磨さんが本命にしているダノンリバティ…」

 今度は融和政策に出るのかい。

 「と同じ音無厩舎のブラックスピネルです」

 結局、けんかを売る気なんだ。

 「そういう訳ではないんですが、前走の安田記念は最下位でしたが、週刊Gallopに載っている音無調教師の話によると『追い切りが軽くなり、当日の馬体重はマイナス2キロでも太かった』そうです。この中間は1週前に坂路で4ハロン51秒7の好時計をマークし、今週も一杯に追われて同じタイムで走っています。競馬エイトでは3回連続して調教採点が高評価の7点。これなら、今回はプラス体重だとしても仕上がっているとみてよさそうで、力を出し切れる状態で臨めるはずです」

 ありがとう。最後にカズマサの本命を教えてよ。

 「京成杯AHはマルターズアポジーを狙います。『過去の本命馬を見直せ!』がマイ格言のひとつなのに、前走の関屋記念はそれに逆らって本命にしなかったら、まんまと逃げ切られてしまいました。先週のタツゴウゲキもそう…。今回は、七夕賞で本命にしたマルターズアポジーでその悔しさを晴らします。前走1着馬は、出走馬ではこの馬だけ。その勢いで重賞連勝を飾り、サマーマイル王者になってくれ!」

 タツゴウゲキも小倉記念と新潟記念を連勝してサマー2000シリーズ王者になったね。

 「マルターズアポジーも同様に重賞連勝で、ライバルに有無を言わせぬサマーマイル王者になることを祈ります。セントウルSの本命はファインニードル。今年に入って1200メートル戦では掲示板(5着以内)を外していませんし、阪神コースでも掲示板を外していません。阪神1200メートルのアドマイヤムーン産駒の連対率も高いですし、絶好の馬場で走れる開幕週で先行馬というのも良さそう。あとはミルコ・デムーロに託します」

 みんなの予想が出そろった。勝負レースは社杯の産経賞セントウルSと決まっているが、京成杯AHも予想だけは披露しておこう。万が一(?)社杯を外しても、こちらが当たっていれば精神安定剤の役割を果たしてくれるはずだから。

 京成杯AHの本命はボンセルヴィーソ。今春、同じ舞台(中山芝マイル戦)で行われたニュージーランドトロフィーで、すごく不利な大外16番を引いたが、2番手追走から3着に粘ったことを評価したい(たとえ強力とはいえないメンバー構成だったとしてもだ)。続くGIのNHKマイルCでも逃げて3着と健闘。今回は絶好の2番枠。好スタートから、逃げるマルターズアポジーを見ながら内ラチ沿いの2番手を進み、粘り込みを図るとみた。印を付けるとしたら◎ボンセルヴィーソ、◯ブラックスピネル、▲ダノンリバティ、△マルターズアポジー、△グランシルク、△ミッキージョイか。

 産経賞セントウルSは、ボンセルヴィーソと同じ池添学厩舎でくしくも同じ2枠2番を引いたメラグラーナに託す。阪神の芝1200メートルのコースは、未勝利戦を除く2014年以降の54レースを見ると、2枠が最も高い勝率を残しているのだ(12.9%)。連対率も23.5%でトップ。ボンセルヴィーソ同様、絶好といえる枠に入ったのだから狙わない手はない。

 春のオーシャンSを快勝後は不本意な競馬が2戦続いている。3番人気だったGI高松宮記念の10着に続き、1番人気に支持された前走のCBC賞でも本来の伸びを欠いて惨敗した。池添学調教師は「外からかぶせられるとよくない。ここ2走はそこから伸びきれなかった。キックバック(芝や砂などが飛んでくること)も嫌がっている感じがある」と分析。「道中はじっとしていてもいいけれど、かぶせられる前に自分から動いて、早めに外に出して進路を取る形が理想」とイメージを描いている。2番枠から内でじっとして、勝負どころで外に出して直線で追い出す。思い描くレース運びはそんなところか。今年3月の重賞初勝利を決めたオーシャンSは、産経新聞社が発行する夕刊フジ賞。産経新聞社の社杯と縁があるメラグラーナが、“初代”産経賞セントウルSのタイトルも奪う。

 ◎②メラグラーナ
 ◯⑭フィドゥーシア
 ▲⑦ファインニードル
 △③アルティマブラッド
 △⑤プレイズエターナル
 △⑨ミッキーラブソング
 △⑬ダンスディレクター

《馬連》
 ②-⑭ 2000円
 ②-③⑤⑦⑨⑬ 各1000円

《3連単》
 ②→③⑤⑦⑨⑬⑭→③⑤⑦⑨⑬⑭(30点) 各100円

鈴木学(すずき・まなぶ) 関東競馬エイト担当部長 

レース内容、騎手、厩舎

堅め

3連複

プロフィル

第1次東京五輪世代(第2次は2020年に誕生)。1993年2月にサンスポの競馬担当となり、2年間のブランク(運動部デスク)を挟んで競馬にどっぷり漬かっている。サンスポ記者時代は予想コラム「鈴木に学べ」を連載も、たまに「鈴木が学べ」に。

予想スタイル

「3連複の軸馬」を◎にしている。3連単の期待値は3連複の6倍だが、人気馬が1着だと6倍以下になることが多い。人気馬を軸にするのなら3連複の方が得という考え。

同じレースの予想