中央競馬:予想予想

2017.8.12 15:00

【居酒屋ブルース】日曜新潟11R《お盆休みで無料公開》

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 【新潟11R・関屋記念】

 「カンパイですね」

 ひいきの居酒屋で、カウンターの向こうから店主のカズマサが話しかけてきた。

 そうだね。先週のレパードSは完敗だったよ。まさかエピカリスが3着に負けるとは思わなかった。まあ、1着のローズプリンスダムも2着のサルサディオーネも無印だから、エピカリスが勝っていても馬券はかすりもしなかったけどね。それにしても当てにいくバント作戦で臨んだら大失敗。小倉記念は、遊びで買ったシャドウパーティーが12番人気で12着と惨敗。まさに完敗だよ。

 「いや、そのカンパイではなく…」

 そっか、レパードSは駄目だったけど、小倉記念は君が本命にしたタツゴウゲキが1着だったんだ。だから乾杯だ。おめでとう。その前の週はカズマサだけ馬券が当たらなかったから、今回は逆に独り勝ちってわけだね。“幸せのおすそ分け”はあるの?

 「もちろんです。これなんかどうでしょう」と言って出してきた一升瓶には、大きな字で書かれた「貴(たか)」というラベルが貼ってある。

 「山口のお酒で、これは、その純米吟醸 山田錦。自然なみずみずしさ、日本酒本来の伸びのある深い味わい…。まさに味わって飲む純米吟醸の逸品といえます」

 確か常連客のキクタケさんのお気に入りだったよね。

 「そうです。きょうはいずれいらっしゃるかと」

 それまで待っていようかな。アルバイトのマヤ姉(ねえ)も残念だったね。逆らえないって言ってたエピカリスがああなって。

 「アジャパーでした」

 古いね。

 「久々であっても、あれだけの馬がああいう競馬をするのは許せません」

 直線では前が塞がり、外からは押し込められてまったく追えなかったからね。まさに不完全燃焼の競馬。でも、ルメールが自信満々だったら不利を受けない大外をぶん回していたはずだよ。久々だっただけに、エピカリスのどこかに自信が持てない部分があったからインを回ってきたんじゃないかな。ナリタブライアンやディープインパクトのダービーを見てよ。あれが自信満々の乗り方っていうんだ。

 「そうですよね。私もああいう競馬を見たかったんです。単勝が1.5倍もついていたので大勝負したらこれですよ」

 マヤ姉って勝負師だったんだ。一体いくら突っ込んだの。

 「それは秘密です。次に出てくるレースで、負けた分を取り戻します」

 その前に今週の重賞レースの予想を教えてくれないかな。

 「エルムSの本命はテイエムジンソクにしました。連勝中のレースぶりを見ると、まさに本格化した感がありますね。今週こそ、この馬には逆らえないでしょう。関屋記念はロードクエストを狙ってみます。2年前の新潟2歳Sでの圧勝が忘れられないので。新潟はあのとき以来の出走。同じ舞台だけに、今回もああいうかっこいいレースをしてくれるんじゃないかと期待してます」

 確かにあの新潟2歳Sの競馬は衝撃的だったよね。一体どれだけ強いのかと思ったよ。その後の戦績は期待どおりとはいかないけど、今回は新潟2歳Sと同じ舞台だけに楽しみだね。どちらも当たるといいね。あれ? スタッフの琢磨は元気がないね。

 「久々のエピカリスは危ない人気馬とみて評価を落としたのに、本命にしたハルクンノテソーロは6着。小倉記念も本命のベルーフが4着」

 今週はお互い当てようね。で、予想は?

 「関屋記念の本命はダノンリバティです。例年、1、2着馬はわりと堅くて、7番人気以内が連対中。とはいえ、3着が荒れたり、1、2番人気が来なかったりと結果的に荒れるという難解なレースです。近年は、サマーマイルシリーズ初戦の中京記念で好走した馬が馬券に絡んでいません。逆に中京記念で惨敗したものの、関屋記念では大きく人気を落とさなかった馬が馬券に絡んでいます」

 ややこしいね。

 「で、そんな馬を探してみてダノンリバティにたどり着きました」

 ダノンリバティは中京記念で3番人気に推されて5馬身差の5着。これを惨敗といえるかどうかだけど、昨年も5番人気で5着だった中京記念から7番人気だった関屋記念で2着に巻き返しているのか。目の付け所は悪くないね。エルムSは?

 「ピオネロを狙います。人気は、姉さんが本命にしている3連勝中のテイエムジンソクの一本かぶり。ジンソクは控えて良し、逃げて良しの強い競馬。一気に本格化した感じがしますが、今回は重賞初挑戦。シリウスS2着や前走のマーキュリーC2着など重賞でも好走実績があるピオネロのほうが上とみます。恐らく単勝オッズは3~4倍になるかと思いますが、ミルコ・デムーロでこのオッズならおいしいです」

 ミルコ・デムーロといえば、先週は落馬で負傷して、小倉記念では秋山真一郎に乗り替わったタツゴウゲキが優勝。乗り替わりでもしっかり馬券を仕留めたカズマサはどう?

 「エルムSはクリノスターオーが本命です。このレースは2、4、2着。レースとの相性はばっちり!といえるかと。しかも、休み明けだった平安S以外は2016年以降の中央GIIIで掲示板を外していません。実績ではテイエムジンソクを大きく上回っています。関屋記念は昨年の勝ち馬のヤングマンパワーが本命。戦績を見ても夏に調子を上げてくるのは明らか。マイル重賞3勝の実績と戦績の良い新潟ということで」

 みんなの本命がそろった。エルムSはテイエムジンソクで堅いかもしれないが、先週のエピカリスのようなことも考えられる。2週続けてバント作戦で失敗したら恥ずかしい。人気になりそうだが、3人の本命テイエムジンソク、ピオネロ、クリノスターオーの3連複1点を買ってレースを見ることにしよう。

 ということで、今週の勝負レースは関屋記念。ではあるのだが、ここを勝っても不思議のない馬が何頭もいて難解だ。とはいえ、ハンデ戦ではなく、別定のGIII戦。こういうときは、格で選びたい。過去10年の勝ち馬を見ても、2007年カンパニーはその前にGII産経大阪杯を勝利、08年マルカシェンクはGIIデイリー杯2歳S勝ち、09年スマイルジャックはGIIフジテレビ賞スプリングSの勝ち馬でダービー2着、12年ドナウブルーはGIヴィクトリアマイル2着、14年クラレントはデイリー杯2歳S1着&GIII3勝、15年レッドアリオンはGIIマイラーズC優勝。実績上位馬が好走する傾向にある。

 競馬エイトで人気予想コラム「巨泉でバッチリ!」を連載していた大橋巨泉さんも実績と格を重視していた。しかも、久々であっても、公正競馬にのっとり、勝負できる態勢にあるから出走しているというスタンスで予想を展開していた。

 関屋記念で狙うのは、GI馬のダノンプラチナ。9カ月半ぶりの実戦となるが、勝負できる態勢にあるからこその参戦だろう。競馬エイトに載っている佐藤調教助手のコメントは「順調に使えない馬だが、帰厩後の調整は順調。動きも右肩上がりに良化。ブランクがどう出るかだが、ローカルの重賞なら地力は一枚上」。同じくエイトの調教短評は「久々感じさせず迫力満点。力出せる状態」とある。休養明け初戦の成績は【1・0・2・0】(左から1着・2着・3着・4着以下)と複勝圏を外したことがない。ここも3着以内を外さないとみた。

 ◎はダノンプラチナに決めた。

 本命は決まったが、相手探しが難しい。どう馬券を買うかも悩む。そんなときに、キクタケさんがやってきた。

 「このまま帰ろうかなとも思ったんですが、お店の明かりがまだついていたので寄っちゃいました」

 そういえば、キクタケさんはラッキーナンバーがあると言ってましたよね。

 「ええ、14番です。小学6年のときの修学旅行で高松から乗船した紫雲丸が転覆しちゃったんですよ。168人が亡くなった大事故でしたが、運良く助かりまして。たまさか私が座った席が14番。その後も14という数字にいい縁があるので、私のラッキーナンバーになったんです」

 関屋記念の14番はロードクエスト。マヤ姉の本命とかぶった。縁あってキクタケさんにラッキーナンバーを聞いてしまったからには、14番を外すわけにはいかない。本命にしたい気持ちもあるが、ここはぐっとこらえて対抗にしよう。

 ◎①ダノンプラチナ
 ◯⑭ロードクエスト
 ▲⑪ヤングマンパワー
 △⑤ロサギガンティア
 △⑥メートルダール
 △⑩ダノンリバティ
 △⑫ブラックムーン
 △⑬マイネルハニー
 △⑮ウインガニオン

《3連複》
 ①-⑭-⑤⑥⑩⑪⑫⑬⑮(7点) 各600円

《馬連》
 ①-⑭ 1600円
 ①-⑤⑥⑩⑪⑫⑬⑮ 各200円

 加えて、キクタケさんのラッキーナンバーからの流し馬券も買っておこう。

《馬連》
 ⑭-⑤⑥⑩⑪⑫⑬⑮ 各100円

《3連複》1頭軸流し
 ⑭-⑤⑥⑩⑪⑫⑬⑮(21点) 各100円

鈴木学(すずき・まなぶ) 関東競馬エイト担当部長 

レース内容、騎手、厩舎

堅め

3連複

プロフィル

第1次東京五輪世代(第2次は2020年に誕生)。1993年2月にサンスポの競馬担当となり、2年間のブランク(運動部デスク)を挟んで競馬にどっぷり漬かっている。サンスポ記者時代は予想コラム「鈴木に学べ」を連載も、たまに「鈴木が学べ」に。

予想スタイル

「3連複の軸馬」を◎にしている。3連単の期待値は3連複の6倍だが、人気馬が1着だと6倍以下になることが多い。人気馬を軸にするのなら3連複の方が得という考え。

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