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2021.11.24 05:00

【矢作芳人調教師 信は力なり】ジャパンCで引退コントレイル「無事に結果を残す」

コントレイルのジャパンCでのラストランを前に矢作調教師が心境をつづった

コントレイルのジャパンCでのラストランを前に矢作調教師が心境をつづった【拡大】

 28日に東京競馬場で行われるジャパンCで、昨年の無敗3冠馬コントレイル(栗、牡4)が現役最後のレースを迎える。同馬を管理する矢作芳人調教師(60)が、好評連載中のコラム「信は力なり」のジャパンC特別版を寄稿。苦楽をともにした日々を振り返るとともに、ラストランへの思いなどをつづった。

 先週あたりから数多く受けたインタビューの中で「寂しくないですか?」と必ず聞かれる。コントレイルを競馬に出走させるのは最後になるわけで、もちろん寂しくないといえば嘘になる。だが今は「無事に」と同時に「結果を残す」の2点にフォーカスしているので、そんな感傷に浸っている暇はないと言うのが正直な心境だ。今はこの両立だけを考えている。レース後の引退式あたりから寂しさが込み上げて来るのではないかと思う。

 コントレイルとともに戦った日々を通して「無敗の3冠」と同等あるいはそれ以上の物を得た。それはオーナー、牧場、騎手、担当者たちとの強い信頼関係である。デビュー前から共に数々の難局を乗り越えてきたことで、言葉では言い表せないほどの強固な関係が築かれた。これはホースマンとしてだけでなく、ひとりの人間として一生の財産だと言い切れるものだ。

 前走の天皇賞・秋の後から、ゲート内の駐立に少しでも効果があればとプール調教にチャレンジした。これも担当・金羅の提案であり、ずっとそうやって意見を出し合いながらやってきた。基本的な調教パターンは変えていない。1週前にCコース併走で負荷を掛け、最終追い切りはいつも通り坂路単走の予定である。違いがあるとすれば、渡米後の隔離期間の関係で1週前追い切りに乗れなかった祐一が、いつもは金羅が乗っている最終追いに騎乗することくらいだ。デビューから変わらないこのパターンの確立がコントレイルの強みだと考えている。

 この中間もゲートを含めてやるべきことはすべてやってきた。ここまで来たら、調教師にできることなどたかが知れている。自分の仕事はコントレイルと担当の金羅が快適に過ごせる環境を整えてあげるくらいだ。また逆説的に言えばそれだけで良いと思っている。われわれには一戦、一戦築き上げてきた関係がある。コントレイルと金羅そして祐一、彼らを信頼している。

 ■矢作 芳人(やはぎ・よしと) 1961(昭和36)年3月20日、東京生まれの60歳。父は大井競馬の矢作和人元調教師。開成高を卒業後、豪州での修業を経て84年に栗東トレセンへ。厩務員、調教助手を経て2005年に厩舎開業。23日現在、JRA通算725勝、重賞52勝(うちGI13勝)。ほかに海外GI5勝、交流GI3勝。

 ★23日の最終追い切り…コントレイルは23日、栗東坂路を4ハロン63秒4-15秒1で軽快に駆け上がり、24日の最終追い切りに備えた。「指示通りの時計で上がってきてくれた。何も言うことない。あすは祐一(福永騎手)を乗せてやるけど、先週に負荷をかけているし、そこまでやらない」と矢作調教師。天皇賞・秋(2着)から中3週の在厩調整になるが、「(昨年の)菊花賞後とは疲れの取れ方が違う。使ったことをプラスにとらえたい」と前向きに話した。

★ジャパンCの特別登録馬(想定騎手入り)はこちら 調教タイムも掲載

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