中央競馬:ニュース中央競馬

2021.10.13 04:50

【矢作芳人調教師 信は力なり】凱旋門賞トライアンドエラー続けていくしかない

凱旋門賞で7着に敗れたクロノジェネシス(共同)

凱旋門賞で7着に敗れたクロノジェネシス(共同)【拡大】

 凱旋門賞、今年も日本馬にとっては厳しい結果となってしまった。出走した2頭は日本では道悪巧者であり、馬場適性はあるのではないかと思われたが、結果は伴わず。騎乗したジョッキーによると「日本とは重馬場の質が違う」と言う。対して当日のGIフォレ賞に出走した管理馬エントシャイデンはかなりの強敵相手に小差の3着と好走した。彼はディープインパクト産駒であり、日本の道悪は得意ではない。わからないものである。

 ひとつだけ好走の理由を挙げるとすれば、シャンティイでの調教を続けていくうちに、パートナーの(坂井)瑠星の取り組みが功を奏して、上体を起こして走れるようになっていたこと。そこら辺がヒントになりそうな気がするが、とにかく難しい。トライアンドエラーを続けていくしかないのかと思う。

 なかなか結論が出ない馬場適性に対して、はっきりしているファクターが1つある。負担重量である。凱旋門賞では4歳以上牡馬59・5キロ、牝馬58キロを背負う。近年の日本競馬でこの負担重量で走る馬は極めてまれであり、むしろタブー視されている感もある。重量は普段から背負うことにより慣れるものだ。古馬より3キロ軽い3歳で挑戦するならともかく、60キロくらいの負担重量に慣れていなければ、あの重い馬場を克服するのは難題となる。本気で凱旋門賞を勝ちに行くのならば避けて通れない問題だと考える。

 いずれにせよ挑戦しないことには始まらない。自分もいろいろ考えるうちに、早くスタートラインに立ちたいという思いが一層強くなってきた。努力を続けたい。

 毎日王冠におけるすぎやまこういちさん追悼の演出は、多くのファンから感動した! との言葉をいただいた。自分も同じ思いである。担当者に感謝したい。

■矢作 芳人(やはぎ・よしと)1961(昭和36)年3月20日、東京生まれの60歳。父は大井競馬の矢作和人元調教師。開成高を卒業後、豪州での修業を経て84年に栗東トレセンへ。厩務員、調教助手を経て2005年に厩舎開業。12日現在、JRA通算718勝、重賞50勝(うちGI13勝)。ほかに海外GI3勝、交流GI3勝。