【さらばホースマン】中山大障害制覇は「勲章」~田所師

2021.2.24 04:57

 今回の「さらばホースマン」は、田所秀孝調教師(70)=栗東=を取り上げる。騎手として重賞3勝、調教師としては2018年にJ・GIの中山大障害を勝利した。足かけ51年のホースマン人生は、最後の瞬間までステップアップを求め続ける。

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 いよいよ最終週を迎えた全休日明けの23日朝も、やることは変わらない。スタンドで調教の動きを見届けると、厩舎に戻って一頭一頭の様子をチェック。田所調教師はいつも通りを貫き通す。

 「こういう仕事柄、終着点がないので、常に毎日が次に向かってのステップアップの時間だからね。そういう面では『やり切った』とはあまり感じてはいないかな」

 1971年に騎手としてデビュー。重賞3勝を挙げ、95年に父・秀雄元調教師の跡を継ぐ形で調教師に転身し、翌96年に厩舎を開業。エリモハリアーでの2005、06、07年GIII・函館記念を3連覇など通算重賞11勝。18年にはニホンピロバロンで中山大障害でGI初勝利を挙げた。

 「ひとつの勲章ですね。ニホンピロバロンは脚元が悪くて、屈腱炎での長期休養明けで臨んだ経緯があっての優勝だったから」とねぎらい、「鞍上の石神のおやじ、元騎手の石神富士雄は、(騎手時代に所属していた)中村広先生のところで兄弟弟子で、一緒に厩舎で仕事をやっていた。おやじも喜んでくれたのでいい思い出になりましたね」と目を細める。

 最終週は土曜阪神11Rの仁川S(L)に登録するタイサイ(牡5)などが出走予定。昨年の同レースは、引退する作田調教師が送り込んだヒストリーメイカーが勝利し、“有終の美”を飾っている。田所調教師は「今年はまだ1勝もしていないので、なんとか引退までにひとつは勝ちたいね。現役でいる馬を新しい厩舎に無事に引き渡せれば」と結んだ。

 これからも続く管理馬の未来に思いをはせつつ、虎視眈々とJRA通算368勝目を狙う。

 ■田所 秀孝(たどころ・ひでたか) 1950年10月31日生まれ、70歳。京都府出身。1966年に騎手候補生となり、71年3月から騎手に。95年2月の引退までに通算4152戦292勝(うち重賞3勝)。同年に調教師免許を取得し、96年に厩舎を開業。これまで6398戦367勝(うち重賞はJ・GI1勝を含む11勝)。父の秀雄氏、叔父の稔氏も元騎手で調教師(記録はJRAで23日現在)。

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