中央競馬:ニュース中央競馬

2020.10.19 04:59

【秋華賞】デアリングタクトV・杉山晴師独占手記「素晴らしい馬に巡り合えて感謝」

杉山晴紀調教師は秋華賞のレイを掛けたデアリングタクトの横で誇らしげな表情

杉山晴紀調教師は秋華賞のレイを掛けたデアリングタクトの横で誇らしげな表情【拡大】

 秋華賞が18日、京都競馬場で行われ、デアリングタクト(牝3歳)が桜花賞、オークスに続く牝馬3冠(6頭目)を、史上初めて無敗で達成した。管理する杉山晴紀調教師(38)=栗東=は、史上最年少の牝馬3冠馬トレーナーに。喜びの心境を手記として、サンスポに寄せた。(取材・構成=宇恵英志)

 史上初となる無敗での牝馬3冠達成に、今はただただホッとしています。みなさんに強いデアリングタクトを披露することができました。これだけの馬を預からせてもらって感謝しています。

 装鞍所からパドックまでの様子は春と同じでしたが、その後、思っていた以上にテンションが高くなりました。「まずいな」と思いましたが、オークスのときと同様に出走馬の最後に返し馬(レース前のウオーミングアップ)をしたことで、落ち着きが戻りました。自ら勝ちに行く競馬をしたぶん、2着馬に詰め寄られましたが、押し切ってくれて良かったです。折り合いのついた道中の走りに、今春からの成長を実感しました。やはり、この馬の持ち味は最後の切れですね。

 デアリングタクトの強さを心底感じたのが、2戦目のエルフィンSでした。返し馬の時点で馬が変わった。1、2コーナーへ走っていく際の走りが、調教を含めたそれまでの走りと違いました。後ろから見たときの走りの軽さが違い、トモ(後肢=お尻、腰回りの部分)が倍以上に見えたんです。こういう変わり方をする馬は初めて。あまりに違い過ぎて身震いしました。こういう変わり方をする馬は二度と見ないかもしれません。

 (栗東・武宏平厩舎での調教)助手時代にスリーロールス(2009年菊花賞勝ち)を通して得た経験は今も生きています。GIを勝てる馬、勝つ馬に携わった経験は貴重。あの馬に教えてもらった経験をもとに、区別せず、特別扱いせずに管理馬全馬を扱っています。オークスから、夏の休養を経て秋華賞に直行するプランをオーナーに理解していただき、“結果を出さなければ”というプレッシャーはありましたが、デアリングにもいつも通りに接しました。

 私にとって、開業5年目の大事なタイミングで、こんなに素晴らしい馬に巡り合えたことに感謝するしかありません。さらに強くしていかなければ、という思いです。今後については、様子を見てからの判断。秋華賞を勝てばさらに上のステージで勝負したいと思っていましたし、楽しみです。デアリングが他の管理馬を引っ張っていい流れを作ってくれていますし、ひと言で言って厩舎の宝。私の人生の、大事な馬です。(JRA調教師)

 ■杉山 晴紀(すぎやま・はるき)・・・1981(昭和56)年12月24日生まれ、38歳。神奈川県出身。2004年7月から栗東・武宏平厩舎で厩務員、調教助手となり、高橋康之厩舎所属の16年に調教師免許取得、同年10月に厩舎開業。18年の目黒記念(ウインテンダネス)で重賞初制覇。同年のJBCクラシック(ケイティブレイブ)でGI初制覇。JRA通算105勝。重賞はデアリングタクトの牝馬3冠(桜花賞、オークス、秋華賞)を合わせたGI4勝を含む7勝(18日現在)。

★18日京都11R「秋華賞」の着順&払戻金はこちら