【田辺裕信 ゆる~い話】1+1=2プラスα…にならないのも馬の配合

2020.7.1 04:55

 新馬戦が始まっていますが、父親もそうですが、競走馬時代の母親に乗ったことがあるケースはそれほど多くありません。母親に乗ったことがある馬に乗ってみると、似ているのもいれば、そうでないことも。部分的に、あるいは癖が似ているということもあります。

 配合するときは、それぞれのいいところが産駒に伝わるように狙っているものです。良い部分が伝われば成功。なのですが、必ずしもそうではありません。だから、難しいですし、面白いのだと思います。

 例えば、イメージとしては、スピードのある母親がいれば、切れ味を持ったスラッとしたタイプになるように狙って配合したのに、馬体が大きくパワータイプに出たなんてことは珍しくありません。それでも、母親に乗ったことがある馬に、初めて乗るときには、どんなところが似ているのかとイメージはします。

 種牡馬に関しては、産駒に共通した特徴を伝えることがあります。パッと思い浮かぶのは、産駒のほとんどが、ゲートで悪さをするという種牡馬がいました。多くの産駒が、ゲート内でジッとすることができないのです。その種牡馬の子に乗るときには『ゲートでは気をつけなければ』と警戒していました。

 この時期から父や母と比べられるのはかわいそうな気もします。母馬が優秀だったら、『まだまだ物足りない』と思われることが多いように思います。

 両親が素晴らしいとどうしても期待しがちです。配合では、1+1=2プラスαを期待するのですが、必ずしもそうはならないのが馬なんじゃないですかね。 (JRA騎手)

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