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2020.6.25 16:39

相沢師コラム・トレセン365日WEB版(113)~名手が将来性に太鼓判・エドノフェリーチェ

相沢郁調教師

相沢郁調教師【拡大】

 都道府県をまたぐ移動制限が全面解除されたのを受けて、週初めは約3カ月ぶりに日高地方の牧場を巡ってきました。こんなに北海道を訪れる間隔があいたのは調教師になってから初めて。多くの子馬が生まれていて、将来を想像するだけで楽しくなってきました。特に杵臼牧場で生まれたブラックホールの半弟(父サトノダイヤモンド)はきょうだいの中で過去最高と思える素晴らしさ。このまま順調に育っていってほしいですね。

 皆さんにとっては生まれたばかりの子馬はどれも同じに見えるかもしれませんが、馬っぷりがあか抜けている、品がいい、顔立ちがいいなど素質馬にはどこかしら秀でた点があるもの。なかなか明確に理論立てて説明するのは難しく、経験を積んでいって初めてわかってくる部分も多いのです。

 ひと昔前なら調教師が牧場を駆け回って生まれたばかりの幼駒から気に入った馬を探し出して、馬主さんに買ってもらうという庭先取引が主流でした。現在は育成牧場で馴致、調教されたあとのセリでの取引やクラブ馬主からの預託が多くなっていて時代の変化を感じます。しかし、昔から馬は最終的に生まれたときの姿に戻っていくといわれています。それだけに春の牧場を回って子馬を見て回るのは、調教師にとって極めて重要な仕事。これから調教師を目指す若い人たちにもぜひ覚えておいてほしいと思います。

 今週は28日函館8R(3歳上1勝クラス、芝2600メートル)のエドノフェリーチェに連勝を飾ってもらいましょう。デビュー6戦目の前走で待望の初Vを飾り、レーン騎手も「将来性は十分にある」と高く評価してくれました。ゴールドシップ産駒らしく少し気の悪いところがあるのですが、それがレースでの負けん気にもつながっています。3歳牝馬だけに51キロの軽量で臨めるのは何より。うまく馬ごみに入れて前を射程圏に入れて運べれば小回りの函館でも大丈夫だと思います。

■相沢郁(あいざわ・いくお)

 1959年6月19日生まれ。北海道出身。麻布大学獣医学部で獣医師免許を取得。98年に厩舎を開業。初年度からウメノファイバーが京王杯3歳Sを優勝し、翌年にオークス制覇。2012、13年にJRA賞優秀調教師賞を受賞。これまでにJRA重賞18勝をあげている。趣味はお酒。