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2020.5.20 04:54

【田辺裕信 ゆる~い話】走りに問題ない隻眼の馬…耳などの感覚で補い対応

田辺裕信騎手

田辺裕信騎手【拡大】

 どちらかの視力がない、隻眼の競走馬がいるのを知っていますか。

 JRAでは、競走馬登録後に、何らかの理由で左右どちらかの視力を失った場合は、現役を続行することができます。

 僕も、これまで何度か乗った経験がありますが、初めて乗るまでは、どんな感じなのか、正直想像ができませんでした。

 例えば、見せムチ。顔の付近でムチを振ることですが、見えないと、その効果がないんじゃないかとか思っていました。または、視力を失った方向に進んでいこうとするのでないかなど、いろいろなイメージを持ったりもしました。

 ところが、実際に乗ってみると、視力がある馬たちと全く同じように走ることができるんです。正直、驚かされました。どうして問題なく走ることができるかは、正確なことは分かりません。

 ただ、耳などから得るさまざまな感覚で補い、対応しているのではないか、とは思います。見せムチにもしっかり反応できるのは、ムチが振られるときの風を切る音で、感じているんじゃないかと思うのです。

 目が見えないぶん、他の感覚が研ぎすまされているんだと思います。このあたりは、本能というか、生命力なのでしょうか。隻眼の馬には過去に重賞戦線で活躍した馬もいますし、僕が乗ってきた馬からは、普通に走るには全く問題はないと感じています。 (JRA騎手)