【矢作芳人調教師 信は力なり】3歳未勝利戦、適正条件使えない自ブロック制の壁

2019.7.24 05:01

 夏競馬も佳境に入り、来年のクラシックを目指す2歳馬の話題が増えてきた。しかし、厩舎としての当面の関心事はあと6週間しかない3歳未勝利戦にある。携わった馬に何とか勝利を! という思いは全ホースマン共通のものだ。

 ところが自ブロック制という規制により関東馬は先週までの中京や今週からの小倉に、関西馬は福島や新潟にほとんど出走することができない。直線に坂がある中京に適性を見いだしたい関東馬もいただろうし、新潟の1000メートル直線を使いたい関西馬もいるだろう。これはどちらが有利とか不利とかいう問題ではない。今後の競走馬生活に大きな影響を及ぼす大事な時期に、その馬の適正な条件に出走できないという本質的な問題である。われわれ厩舎関係者は夢を買ってくださるオーナーやファンに、面白く夢のある競馬を提供するよう努力する義務がある。しかし、つまらない規制のためにそれが阻害されている。とても残念でならない。

 そして厩舎制度についてさらなる規制の話が持ち上がっている。これは生産界にも影響を及ぼす大きな問題と捉えている。簡単な話ではないので、この件については時期を見て改めて述べたい。

 先週日曜日福島メインの福島テレビオープンをリライアブルエースが勝って、厩舎としてJRA通算600勝を達成する事ができた。開業して14年5カ月、思えば良く勝ってきたと思うし、頑張って走ってくれた馬たちと携わってくれた全ての人々には感謝しかない。ただ、まだまだ道半ばである。今後はもっと色々な大レースを勝てるよう努力精進して行きたい。より一層の応援よろしくお願いします。

矢作 芳人(やはぎ・よしと)

 1961(昭和36)年3月20日、東京生まれの58歳。父は大井競馬の矢作和人元調教師。東大合格者を多数輩出する開成高を卒業後、豪州で修業し、84年に栗東トレセンへ。厩務員、調教助手を経て2005年に調教師として厩舎開業。14、16年にJRA賞(最多勝利調教師)獲得。23日現在、JRA通算600勝。重賞は33勝で、うちGIは12年の日本ダービー(ディープブリランテ)、今年の宝塚記念(リスグラシュー)など7勝。海外GI勝ちは16年ドバイターフ(リアルスティール)。趣味は競輪、サッカー観戦など。

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