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2019.5.16 16:22

相沢師コラム・トレセン365日WEB版(57)~頼れる鞍上で惜敗続きにピリオドを・ヘイワノツカイ

ヴィクトリアMを芝1600メートルの世界レコードで制したノームコア。レーン騎手は来日3週目でGIを優勝した

ヴィクトリアMを芝1600メートルの世界レコードで制したノームコア。レーン騎手は来日3週目でGIを優勝した【拡大】

 アイリスフィールは6分の2の抽選を突破できず、残念ながらオークスへのゲートインが叶いませんでした。追い切りの動きが素晴らしく完璧といえるデキで、勝ち負けになる自信もあったのですが…。仕切り直しの一戦はダービーデーの白百合S(26日、京都、L、芝1800メートル)。3勝目を挙げて秋へつなげたいですね。

 先週のヴィクトリアマイルは驚きの連続でした。勝ったノームコアに騎乗していたのは、豪州のダミアン・レーン騎手。当欄で「ぜひ注目してください」と書いた矢先にGIを制覇してしまいました。“マジックマン”といわれるジョアン・モレイラ騎手が初来日したとき以上のインパクトですね。とにかく、とんでもない若手が出てきたものです。オークスはコントラチェック、ダービーはサートゥルナーリアと有力馬がめじろおしで、一気にGI3連勝なんてことも十分にあり得そうです。

 もうひとつ衝撃的だったのは、1分30秒5という勝ちタイム。従来の記録を0秒2更新する芝1600メートルの日本レコードで、世界レコードの可能性も高いとか。他のレースも軒並み高速決着で、ウチのミラクルブラッドが出走したテレ玉杯(芝2000メートル)は1分57秒8。これではある程度のポジションにつけられる馬でなければ勝負になりません。

 これだけ時計が速いと、どうしても故障の心配をしてしまいます。科学的な因果関係はないそうですが、高速決着の後では消耗度が大きいというのが現場サイドの実感です。ファンはレコードタイムの連続で喜ぶかもしれませんが、個人的には時計の出すぎない馬場にしてほしいと思っています。

 今週は19日東京5R(3歳500万下、芝1600メートル)のヘイワノツカイに、アイリスの無念を晴らしてもらうとしましょう。前走はレーン騎手のブレイブメジャーの前にクビ差2着と屈しましたが、今度はウチの馬に乗ってくれることになりました。敵に回すと実に手強いのですが、味方になればこれほど頼りになる男もいないでしょう。中2週でもいい状態をキープできていますし、舞台もベスト。惜敗続きにピリオドを打ってほしいですね。

■相沢郁(あいざわ・いくお)

 1959年6月19日生まれ。北海道出身。麻布大学獣医学部で獣医師免許を取得。98年に厩舎を開業。初年度からウメノファイバーが京王杯3歳Sを優勝し、翌年にオークス制覇。2012、13年にJRA賞優秀調教師賞を受賞。これまでにJRA重賞17勝をあげている。趣味はお酒。