東京の新馬戦を快勝したタニノミッション。騎乗したモレイラ騎手も絶賛した【拡大】
取材の中で驚いたのは、1メートルくらいの距離があっても「心臓の音が聞こえてくる。馬が落ち着いた状態でも聞こえてくる」という話。キャンターでも15-15が普通の馬だと言うし、相当なエンジンを搭載しているのか。山田助手が「不思議な馬。出会ったことがないタイプ」というのもうなずける。
取材の終盤には、そろりそろりと帰宅しようとする中田助手を山田助手が捕獲し、取材に参加させる一幕も。GI7勝のウオッカを担当した中田助手は「きょうだいで一番ウオッカと似ている。特に気の強さが」と明かす。ウオッカは人を蹴ることがあったが、ミッションは他馬を蹴ったりするのだとか。攻撃的で勝ち気なアスリート向きの気性なのだろう。
その母は2006年に9分の8の抽選を突破して2歳女王に輝いた。娘は現在7分の3と厳しい確率だが、くぐり抜けた先には母子制覇という快挙が待っているかも。 (板津雄志)
★母子同一GI制覇は6例
阪神JFが牝馬限定になった1991年以降、抽選を突破して滑り込みで勝った馬は2006年ウオッカ(9分の8)、07年トールポピー(12分の6)、08年ブエナビスタ(17分の6)、11年ジョワドヴィーヴル(15分の6)の4頭。ジョワド以外の3頭が翌年のクラシックを制している。また、1戦1勝のキャリアでJRA・GIを勝てば、前記ジョワドと15年朝日杯FSのリオンディーズに続く3頭目の快挙。母子による同一GI制覇は過去に6例ある。