ルメール騎手を背にアーモンドアイは抜群の加速を披露。楽な手応えで併せた相手をみるみる引き離した (撮影・佐藤雄彦)【拡大】
休み明けのうえに、馬群の外を回らされる苦しい展開だった秋華賞も終わってみれば完勝。前走の追い切り後に鞍上が「95%」と語っていた状態は今回、「だいたい100%」まで上昇している。歴戦の年長馬撃破へ、態勢は整った。
2009年にこのレースを制したウオッカや、仏オークス(ディアヌ賞)を制したスタセリタ…。国内外で数々の名牝に騎乗してきた名手にとっても、アーモンドアイは「特別な馬」だ。「ほとんど完璧で、とても賢い。一番いいのは瞬発力ですね。イメージはフェラーリ。同じくらいギアがすごい」と心底ほれ込んでいる。
最愛のパートナーにベストの体調でまたがるためには、己も厳しく律する。ルメール騎手が斤量53キロで騎乗したのは15年のJRA移籍後で3鞍しかなく、昨年10月8日以来。無理のない減量を成功させるため、今週は大好きな赤ワインを断ち、食事もごく軽いもので済ませるつもりだ。
「ジャパンCは彼女の(今年)最後の挑戦。古馬相手は結構難しいけど、この馬の能力はすごい。スタートからリラックスして運べれば2400メートルは絶対にいける。自信を持って乗りたいですね」
3歳牝馬のVなら、2012年ジェンティルドンナ以来、史上2頭目の快挙。“最強外国人ジョッキー”を背に、アーモンドアイが歴史的牝馬へと羽ばたく。 (漆山貴禎)