JRA・GI初勝利のジョアン・モレイラ騎手は笑顔でガッツポーズ (撮影・岡田茂)【拡大】
8Rのスタート後に落馬して周囲をヒヤリとさせたが、直後の9RにJRA史上最少騎乗数で通算100勝を達成。激動の一日をGI制覇で締めくくる、“マジックマン”の独壇場だった。
「日本でGIを勝つのが、子供のころからの夢でした」。幼少時に父が他界。かすかに覚えている一生懸命働く大きな背中が、心の支えになっている。「今も、どこかで見ていてくれている。父のおかげで勝つことができたし、うれしい」。晴れ姿はきっと天国にも届いたはず。孝行息子は続けて「どんどん勝ちたい。ここで終わりではない」と貪欲だ。
リスグラシューはGI8度目の挑戦で戴冠。矢作調教師も感無量だ。
「これだけ強い馬にGIがないのはすごく情けなかったし、うれしいしかない。若い頃は牝馬特有の繊細さに悩まされたが、今年の春くらいから大人になって完成に近づいてきた。どんどん自分で進化してくれた」
新コンビの鞍上にも「ゲートの中だけ悪いので『そこだけ気をつけて、うまく出して』と言ったら、最高に出してくれた。折り合いも完璧で、位置取りもよし。“なんであんなにうまいのか”というくらい、うまいレースをしてくれた」と絶賛する。
今後は香港国際競走や有馬記念が視野に入る。「折り合いも大丈夫だと分かったし、マイルから2400メートルまで全部こなすと思う」と、トレーナーは手応えを感じ取る。待望のタイトルを手にしたリスグラシューが、まだまだ高みを目指していく。 (斉藤弘樹)