中央競馬:ニュース中央競馬

2018.10.7 16:33

サンスポデスク 紅一点アエロリットで毎日王冠的中!

サンスポデスク

サンスポデスク【拡大】

 【デスクの競馬手帳】日曜東京11R

 言い表しようのない喪失感の中で、この稿を書いている。

 今週3日、一人のホースマンが急死した。美浦トレセンの島田明男調教厩務員。49歳の若さだった。

 今春から浅野洋一郎厩舎に所属していたが、それまでは長く二ノ宮敬宇厩舎に在籍。一昨年の皐月賞馬ディーマジェスティや2012年のエリザベス女王杯勝ち馬レインボーダリアを筆頭に、ブリッツェン、ロフティーエイム、サンクスノートといった重賞ウイナーを手がけた腕利きだった。

 厩務員として腕利きというだけでなく、競馬そのものに精通している人だった。マスコミとして駆け出しの頃からさまざまなことを教わり、不勉強はきつくたしなめられた。知らないことをたくさん教えてもらった一方、こちらが知り得たことを伝えると、さまざまなリアクションをしてくれた。マスコミと取材対象者という関係だったが、どこでウマが合ったのか、お世話になってばかりだった。

 もちろん、「馬」をよく知っている人でもあった。あるとき厩舎を訪れると、手がけているオープン馬を馬房から出して洗い場に連れて行くシーンに出くわした。馬栓棒(馬房から馬が逃げ出さないように防ぐための棒)を外した島田さんが洗い場へ歩き出すと、馬がトコトコとその後ろについていく。引き手もつけずに、である。安全を考えたらあり得ないことだろう。その馬自身の気性が穏やかだったこともあるが、まるで魔法を見ているようだった。

 またあるときは、他厩舎に入厩した初日の馬を見て、「今度来たあれはすごくいい馬だぞ」と教えてくれた。決して派手な血統ではなく、一流厩舎の馬でもなかったが、のちにその馬は重賞を2度も勝った。プロの観察眼を持っている人だった。

 トレセンを取り巻く環境は少しずつ変化して、いつしか競走馬は牧場で大半の仕上げを終え、短期間でレースに出走することが増えてきた。

 「何が面白いんだろうね」

 つまらなそうに、何度も口にしていたことを思い出す。馬づくりへのこだわりを持つ職人だった。十分に手をかけ、状態を把握し、きっちりと仕上げる。それが実行できるホースマンだった。思ったことをストレートに口にするため摩擦も少なくなかったが、そんなもめ事の相手でさえ、急死を惜しんでいた。

 その一方、サービス精神は旺盛だった。仲間内ではいつも話題の中心にいて、道化役を演じ、人を笑わせることが達者だった。ファンに対しても同じで、ディーマジェスティがセントライト記念を勝ったとき、中山競馬場の「はなみち」で長時間、ファンの前に愛馬を連れて行って撮影のチャンスを設けていたのは語りぐさになっている。自分は陰に隠れて、馬が主役になるようなアングルにまで配慮していた。そんな人だった。

 3日午後に厩舎で倒れ、わずか4時間ほどで息を引き取ったという。確かに、せっかちな人ではあった。何も死ぬことまでこんなに急がなくてもいいのに…とは思うものの、誰もが判で押したように同じ感想を口にした。

 「あの人らしいよね」

 残された者に何ができるかは分からない。ただ、馬と競馬をこよなく愛した島田さんに恥じない仕事をしていきたい。そう思っている。これからは天国で、大好きなお酒をたくさん飲んでください。「余計なこと書くな!」と怒られるかもしれないけど、今回だけだから許してね。

 【東京11R・毎日王冠】 今週は予想に関する能書きはなし。騎手時代に島田さんの担当馬で勝ち星を挙げたこともある菊沢隆徳調教師の◎⑨アエロリットを買いたい。

《馬単》
 ⑨→④⑤ 各4000円
 ⑨→⑦ 2000円

 ※結果…紅一点アエロリット(1番人気)がジョアン・モレイラ騎手を背に逃げ切って重賞3勝目を飾りました。2着ステルヴィオ(3番人気)で《馬単》⑨-⑤は10.6倍で払戻金は4万2400円です。

サンスポデスク 東京サンスポ 

全ファクター

幅広く

臨機応変

プロフィル

現場記者を10年以上務めたのも昔の話。現在は社内で出稿作業やツイッター更新などの業務に携わる。馬券はよく当たるけど、当たったぶんも突っ込んでよく負ける。3競オート何でも来い。趣味は旅打ち。

予想スタイル

現場から離れた今は、記者からの情報収集にいそしみ、自らデータを調べ、血統知識を加えて勝負。天気、展開も重視。要するにアンテナを全方位に張ります。

※サンスポデスクの予想を閲覧するには会員登録(無料)していただく必要があります