中央競馬:ニュース中央競馬

2018.6.13 12:00

【佐藤洋一郎・馬に曳かれて半世紀(39)】サートゥルナーリア快勝!公現祭の名のとおり、救世主が現れた(2/3ページ)

威風堂々の馬っぷり、勝ちっぷりをみせたサートゥルナーリア(左)

威風堂々の馬っぷり、勝ちっぷりをみせたサートゥルナーリア(左)【拡大】

 今回もそのテツを踏むまいと迷い、前年のシーリア(牝)も体質的な弱点(産駒の半数にそうした心身両面のアブナさが潜んでいる?)を露わにして4戦1勝で早期引退しているだけに…と侮ったのが裏目に出た。慧眼の持ち主がいた。というより赤本とか青本とか、ちまたのPOG読本や参考書、アンチョコのたぐいでは「エピネファイア級」くらいの人気になっていたのかもしれない。Gallop誌の別冊「丸ごとPOG」を覗き見する程度で、その種の情報誌には目をくれない孤高(偏執的?)のPOGおっさんには、人気の序列、空気を読む能力が欠けている。いや、はじめは皆、ほとんどが損得、勝ち負けを気にしないで好き勝手にPOになったデイレッタント(好事家)だった。がしかし、結果的に大きな格差が生じはじめ、遊びやゲーム感覚抜きの勝つための方策をも試行錯誤するように様変わりしていった。まずポイントゲット要員として確実にデビューし、結果を出せそうな早期デビュー組を選別する。次に将来性(ダービーまで)のある素材、あとは交流戦にも通用しそうなダート巧者や牝馬…といった攻略ストラテジーが進化し、いまやその最先端をきわめつつある上位のトップランナー数人の攻防にもつれ込んでいる。つまり新たな格差が生じてきて、女性陣(7、8人)が撤退してゆき、早逝したり、高齢や病欠したりの空席も増えて、最盛期には40人超だった仲間が27人(ことしの新人は一人のみ)に減っている。「世界平和にもつながる親睦と絆の輪」という大風呂敷を広げ、老若男女だれでもいらっしゃいの“オールカマー”POGを立ち上げたオッサンにはちょっとさみしいが、これも時の流れ、変化と新生への過渡期の現象であると思えば、

 

 さよならだけが人生ならば、また来る明日は何になる。

 といった詩人の言葉にも揺り動かされる。それはおそらく、現存のPOGユーザーのなかでは最古にして最長キャリアに属するはずの、記者自身の来歴にも由来する。

 「永遠に成長し続ける組織、システムはありえない。あるとすれば癌細胞くらいのもので、それは成長、成熟、爛熟、腐敗…という死滅の道をたどる」

 劇作家ブレヒトの言葉を童話作家でもあったミヒャエル・エンデが引用したと記憶しているが、爛(乱)熟して自然崩壊していった痛々しい初代POGの末路を経験した。

【続きを読む】