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2018.5.16 12:15

【佐藤洋一郎・馬に曳かれて半世紀(35)】「オークスのゾロ目」復活の予兆?あるぞ人気薄馬の返り咲き(4/5ページ)

スポーツ紙記者No.1の健筆家と謳われるサンスポ佐藤洋一郎記者が自身の記者生活の集大成として送り出す「馬に曳かれて半世紀」

スポーツ紙記者No.1の健筆家と謳われるサンスポ佐藤洋一郎記者が自身の記者生活の集大成として送り出す「馬に曳かれて半世紀」【拡大】

 

 「カユマンギー。マイ・スキン・カラー・イズ・クティス・カユマンギー、ユウ・ノウ?」

 サラは細い腕を肩のあたりまでむき出しにして、自分の肌の色こそ正真正銘のフィリピン人の肌であることを強調した。カユマンギーはタガログ語のピンキッシュ・イエロー(桜桃色)のことで、クティスは本物。ダンサーとして初めて日本に出稼ぎに来た。故郷には両親と4人の弟や妹が自分の仕送りを待っている。出発するときにボーイフレンンドと喧嘩別れしてきたことなどを、スパニッシュ訛りの流暢な英語で話した。

 英語が通じるということでサラとすっかり仲良くなり、二度目に一人で行ったときにはアパートでのヌーン・パーティーに招かれた。狭い一室に5人の少女がひしめいていた。サラは魚介類を好んだが、ほかの少女たちはポークをよく食べた。それなのに全員がぜい肉のまったくないスリムな体をしているのが不思議だった。休日にサラと映画を観た帰り、カバヨ(馬)で儲けたら、何かプレゼントしてやると約束した。ババエが女、カシンタハンが恋人。このタガログ語は一度聞いたら忘れようがなかった。馬が 河馬ヨよで、女が婆エ。ガハハハハ!

 トウカイローマンに衝撃を受けた翌日、初対面の中村均調教師にも打たれた。大学生のように若くてハンサムなトレーナー(史上最年少27歳で調教師試験合格)で、ローマンを自慢するのに実にふさわしいキャラクターだと思った。わずか数日で完璧にローマンにのめり込んだ自分が信じられないくらいだった。しかも金曜日の午後、大本命ダイアナソロンの厩務員に王妃の弱点(前肢球節の不安)を打ち明けられたのだ。

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