相沢調教師コラム・トレセン365日WEB版(6)~砂向き種牡馬人気爆発のワケ

2018.5.10 16:30

 先週5日、ウチの(石川)裕紀人が東京1Rで復帰後初勝利を飾りました。しかも、自厩舎のグリズリダンスでのものだっただけに喜びもひとしおです。さらに、続く3Rでは7番人気の馬で大穴Vと存在感を示してくれました。ジョッキーが騎乗依頼を増やすには勝つのが一番。これからも応援をよろしくお願いします。

 月曜(7日)は久々に日高の牧場を回ってきました。今は種付けシーズンの真っ最中です。読者の皆さんはご存じないかもしれませんが、繁殖牝馬に必ずしも希望の種牡馬を交配できるわけではありません。獣医に排卵日を予測してもらって種付けを行うわけですが、人気の種牡馬だとすでに満口になっていたり、予定が重なってしまうことがしばしば。次の排卵まで待つと次の年の誕生が遅くなってしまうため、泣く泣く別の種牡馬をつけるケースも多いのです。

 私とゆかりのある繁殖牝馬は今年、エスポワールシチーの種付けを予定していましたが、満口で叶(かな)わなかったそう。聞けば、他にもシニスターミニスター、コパノリッキー、ホッコータルマエといったダート向きの種牡馬が満口になっているとのこと。その背景には、芝だと大手の生産者グループに太刀打ちするのが難しいという“現実問題”がありそうです。また、種付け料がクラシック向きの種牡馬よりもお手頃なことも追い風になっているはず。下級条件であれば、芝もダートも賞金は一緒。寂しい気もしますが、大レースを一部の生産者に独占されていることを考えれば仕方ないですね。来年の当歳馬にはダート向きの産駒がわんさかいるはず。以前から訴えているように、JRAも早い段階からダート路線を拡充させてほしいものです。

 今週は12日東京6R(3歳500万下、ダート1600メートル)のジョワユーズに期待しています。体質が弱く半信半疑の状態で使った今年1月の新馬戦で楽勝と、素質の高さを示してくれました。その後はフレグモーネなどで一頓挫あって間隔があきましたが、ここへきてけいこで動くようになってきました。体質がしっかりしてきた証拠とみています。牝馬限定戦なら昇級初戦から一発やってくれそうな雰囲気。おかげさまでウチの厩舎は前3週で4勝と好調なので、今週も…と期待しています。

■相沢郁(あいざわ・いくお)

 1959年6月19日生まれ。北海道出身。麻布大学獣医学部で獣医師免許を取得。98年に厩舎を開業。初年度からウメノファイバーが京王杯3歳Sを優勝し、翌年にオークス制覇。2012、13年にJRA賞優秀調教師賞を受賞。これまでにJRA重賞16勝をあげている。趣味はお酒。

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