2018.2.5 19:04
2月2週目の中央競馬は今年2度目の3日間開催。10日(土)=京都&小倉、11日(日・祝)=東京&京都、12日(月・休)=東京&小倉と、3場の変則日程で行われる。
東京の日曜メインは3歳馬によるGIII共同通信杯(11日、芝1800メートル)。クラシックとの関連が強いレースで、過去10年の勝ち馬では2012年ゴールドシップが皐月賞、菊花賞、14年イスラボニータ、16年ディーマジェスティが皐月賞を制し、2着馬も12年ディープブリランテがダービー、15年ドゥラメンテが皐月賞、ダービーを勝っている。昨年Vのスワーヴリチャードもダービーで2着に好走しており、今年も目が離せない。
主役を務めるのはグレイル(栗東・野中賢二厩舎、牡)だ。新馬戦を勝ち、続く前走の京都2歳Sでは、のちにホープフルSを制すタイムフライヤーをアタマ差の2着に下している。右手前のまま差し切っただけに、左回りの東京ならさらに切れ味を発揮できそうだ。デビュー戦は不良馬場で勝っており、馬場状態を問わないのも強み。2カ月半ぶりだが、乗り込み量は豊富でいい状態で出走できそうだ。武豊騎手には2週連続で東京での重賞Vがかかる。
ゴーフォザサミット(美浦・藤沢和雄厩舎、牡)は新馬戦で5着に敗れたが、続く未勝利戦→百日草特別を連勝。前走ではホープフルSで5着と好走するナスノシンフォニーを1/2馬身差の2着に退けており、2分0秒9(良)の勝ちタイムも優秀だった。3カ月の休み明けだが、1週前追い切りでは同日の京都記念に出走する昨年のダービー馬レイデオロに1馬身先着したように、調整は順調。半兄に産経大阪杯V、安田記念2着、宝塚記念3着など一線級で活躍したショウナンマイティ(父マンハッタンカフェ)がいる血統馬。ここで好勝負すれば、春の大舞台が楽しみになる。
前記のハーツクライ産駒2頭に割って入るのが、ホープフルS3着のステイフーリッシュ(栗東・矢作芳人厩舎、牡)。こちらも勝ち負けを期待できる存在だ。ホープフルSではタイムフライヤーの決め手に屈したが、直線での伸び脚は目を見張るものがあり、2着だったデイリー杯2歳S優勝馬ジャンダルムにはクビ差まで迫っている。デビュー戦の中京で左回りを経験しており、関東圏への輸送も2度目。前走以上の走りが見込めそうだ。デビュー以来コンビを組む21年目の中谷雄太騎手には重賞初Vがかかる。
オウケンムーン(美浦・国枝栄厩舎、牡)は、新潟芝2000メートル未勝利戦を6馬身差で圧勝。2分1秒8の勝ちタイムは2歳コースレコードだった。さらに、4カ月の休み明けだった中山500万下の前走で連勝を決め、勢いに乗っての参戦となる。3戦連続で上がり3ハロンはメンバー最速をマークしており、東京の決め手比べはいかにも向きそうだ。父オウケンブルースリは08年の菊花賞馬で、オーナーも同じ福井明氏。現在中央競馬に登録されている産駒はわずか7頭だが、種牡馬としての父の名を高める走りができるか注目だ。
カフジバンガード(栗東・松元茂樹厩舎、牡)は初勝利が東京芝2000メートル戦で6馬身差の圧勝、続く東京スポーツ杯2歳Sでも4着に入っている実力の持ち主だ。2走前のこうやまき賞では4日のきさらぎ賞で2着に入ったグローリーヴェィズをアタマ差の2着に破っている。前走のシンザン記念は出遅れが響いての5着。スタートに難を抱えるが、2勝を挙げる左回りで巻き返す可能性は十分にある。
ディープインパクト産駒は4頭がエントリー。ブレステイキング(美浦・堀宣行厩舎、牡)は、デビュー戦は出遅れて6着に敗れたが、2戦目できっちりと勝ち上がった。母シユーマが英国、カナダでGIを2勝した良血で、1歳上の全兄は4戦3勝で現在1600万下に在籍するヘリファルテ。出否は追い切り後に決まるが、出走してくればマークは必要だ。また、その僚馬サトノソルタス(牡)は、東京芝1800メートルで新馬勝ちして以来3カ月半ぶりだが、素質は確か。こちらも出否は追い切り後に決まる。どちらか1頭は出走する見通しで、鞍上にはライアン・ムーア騎手が予定されている点も興味深い。
2戦目は10着に大敗したが、ベテラン横山典弘騎手との新コンビで巻き返しを図るブラゾンダムール(栗東・松永幹夫厩舎、牡)も、新馬戦を勝った東京で見直しが必要だろう。
他では、馬混みで初めて競馬をした前走が2馬身半差の快勝だったアメリカンワールド(栗東・藤岡健一厩舎、牡)に注意したい。船橋競馬から挑戦するリュウノユキナ(斉藤敏厩舎、牡)はホッカイドウ競馬所属時にオープンのすずらん賞を勝っているが、1800メートルの克服が大きな課題になる。
登録のあるフィニフティ(栗東・藤原英昭厩舎、牝)は、12日のクイーンCに向かう公算が大きいが、こちらに回ってきた際には気を配りたい。