【みんなの反省会】鞍上の判断も光った両重賞の勝ち馬

2017.7.9 22:16

デスク 福島でサマー2000シリーズ第1戦の七夕賞、中京ではダート短距離のプロキオンSと計2つの重賞が行われました。まずは七夕賞。関東競馬エイトの“レジェンド”、吉田均トラックマン(TM)に登場してもらいましょう。ゼーヴィントが人気に応えたわけですけど、レ-ス自体のペースが速かったですね。

吉田TM マルターズアポジーが逃げるのは分かっていたことだけど、(スタート直後にハナに立っていた)フェイマスエンドに絡まれて、先手を取るまでに手間取ったんだよね。それで前半1000メートルが58秒0。

デスク その流れの中でマイネルフロストが3コーナーまでに外から上がっていったとき、優勝馬ゼーヴィントはついていきましたね。戸崎圭太騎手も「(マイネルフロストに)ついていく形で仕掛けました」と話していました。

吉田TM マイネルフロストは残り600メートルで先頭に立って、戸崎騎手は(ゼーヴィントに)気合をつけて上がっていった。ゼーヴィントは長くいい脚を使える馬だしね。

デスク それに福島コースは昨年7月のラジオNIKKEI賞を制して、11月の福島記念で2着。

吉田TM そう、福島巧者でもあるけど、やはり鞍上の判断もうまかったね。

デスク 5カ月半ぶりの実戦でした。

吉田TM 休み明けで、パドックでうるさかったんだ。あの落ち着きのなさを見たら、一般の人は『折り合いは大丈夫かな』と不安に思うだろうね。キャリアが浅い馬だから、このあたりが解消されれば、もっと活躍できると思う。逆にいえば、伸びしろがあるということ。

デスク 斤量57キロを背負うのは初めてでした。

吉田TM そうだね。(中山のセントライト記念とAJCCでいずれも2着と)実績があった馬だけど、これからまた中央の重賞でも好走が期待できると思うよ。

デスク 木村哲也調教師はこの中間、「前走(AJCC2着)は脚元を考慮しながらの調整だった」と説明していました。競馬エイトの調教採点が2週続けて良かったですよね。

吉田TM 1週前に長めから目いっぱい追って、最終追い切りは3頭併せ。それだけできたということで、(馬体重は前走比で)マイナス4キロ。仕上がっていたと思う。

デスク 2着は5番人気のマイネルフロスト。エイト紙上で野田慶一郎TMがブリンカー効果を強調していました。着用し始めた2走前の新潟大賞典が2着、前走の鳴尾記念が3着。行きっぷりが違うんですね。

吉田TM 野田TMと同じく僕もブリンカー効果で本命にしていたんだ。新潟大賞典は(11番人気で)全く人気がなかったけど、57キロを背負って2番手から粘り込んだし、前走の鳴尾記念も同じ2000メートルでスローの流れに引っ掛かりながら、(3番手追走から)3着を確保したからね。中間のけいこもいい感じだった。

デスク マイネルフロストというと、3年前のダービー3着馬というイメージが強く残っています。

吉田TM そうだね。切れ味勝負の馬ではないから、早めに先頭に立つことで持ち味が生きる。最初に言った通り、残り600メートルでハナに立ったわけだけど、(速い)ペースを考えたら、少し動くのが早かったかなという感じはある。たとえば、4コーナー手前で先頭に立つとか。(前半1000メートルが61秒6だった)前走とはペースが違うから、もしそうしていたら、勝ち目があったかもしれない。

デスク 3着は7番人気のソールインパクト。

吉田TM もともと2~3歳に重賞でも好走していた馬で、勝ちみに遅い面があったけど、前走を勝っていい感じだった。前半で控えて、3コーナーからジワァーと上がっていって、4コーナーを回ったときは“ひょっとすると”って思わせたよ。今回は53キロのハンデも味方したけど、これからもGIIIなら十分、勝ち負けになる。

デスク 4着は4番人気スズカデヴィアス。離れた最後方から、よくまあ4着に来ましたね。

吉田TM 前半1000メートルでストップウオッチを押すんだけど、スズカデヴィアスは60秒8。先頭より2秒8も遅かった。

デスク 2秒8!

吉田TM スタートがよくなかったし、(直線で)内に入れないから外々を回るしかなかった。普通、ハイペースなら差し・追い馬が有利だけど、今回は後ろの馬も追走することで脚がたまらなかったんじゃないかと思う。スズカデヴィアスも、最後にグーンと伸びるかと思ったら脚が鈍ったのは、そのせいじゃないかな。

デスク 5着は8番人気のフェルメッツァ。

吉田TM 向こう正面でもうステッキが入っていたけど、しぶとく差してきたよね。

デスク 逃げた2番人気のマルターズアポジーは結局、ブービーの11着でした。

吉田TM 先手を取るまでに脚を使ってしまったのも原因だけど、3カ月ぶりのレースで、パドックで見たときに本調子にはもうひと息かなという気がした。たとえ(前半を)58秒0で走ったとしても、今回のように抵抗できない馬ではないからね。暑い時期だし、けいこの動きも重そうだった。体調が万全ではなかったと思う。

デスク 他に気になった馬はいますか。

吉田TM ヴォージュだね。

デスク 3番人気でしたが、3番手を追走して9着でした。

吉田TM 前半から厳しい流れになるのが初めてだったと思う。決め手勝負の馬ではないから、今までは先行して抜け出すレースぶりだったけど。それに中2週で上積みがなかったかもしれない。まだキャリアの浅い4歳馬だから、今回の経験を糧にしてもらいたいね。

デスク 吉田TM、ありがとうございました。では、もう一つの重賞、プロキオンSに話題を移しましょう。こちらは関西競馬エイトの仲和弘TMにお願いします。勝ち馬のキングズガードは後方3番手で、1番人気のカフジテイク(2着)をマークするような形でしたね。

仲和弘TM はい。前の方がゴチャつく中で、後ろからスムーズに流れに乗りました。

デスク 直線では戦略として内にそのまま進路を取った感じですね。前が壁になっても追い出しのタイミングを探っているような雰囲気で、結果的に少し外に進路を取る形にはなりましたが、逆に脚がたまったのかもしれないですか。

仲TM そうですね。外に持ち出してから伸びて、(追撃してきた)カフジテイクを完封しました。

デスク 2走前に交流GIIIの黒船賞で2着。

仲TM もともと(昨年のプロキオンS3着など)重賞で好走している馬ですけど、(休み明けの前走・天保山S2着を含めて)ここ2戦でしっかりしたいい脚を使っていました。距離の短い重賞なら安定して走ります。

デスク 2着のカフジテイクは外から伸びてきました。ドバイからの帰国初戦で調整が難しかったと思います。陣営は長めの追い切りをしっかり積んできましたが…。

仲TM ええ。今回はキングズガードの充実度と叩いた上積みに負けた印象です。斤量も1キロ重かったですし。それに(直線での進路として)外にこだわりましたよね。

デスク 3着は中団を追走したブライトライン。

仲TM 自分から早めに勝ちに行く競馬でした。上位2頭にはキレ負けをしましたけどね。相性がいい川田将雅騎手が力を引き出したと思います。

デスク 2番人気のアキトクレッセントは12着。

仲TM 僕の本命でした。外から寄せられて位置取りが下がって中団になってしまいましたね。モロさが出たと思います。

デスク 3番人気のイーデンホールは8着。

仲TM ミルコ(デムオロ騎手)とケンカしているような感じで、きれいに乗れていない印象を受けました。(馬自身は)外々を回らされて気分が乗らない感じで、伸びを欠きましたね。

デスク 気になった馬はいますか。

仲TM 6着のキクノストームです。大外枠から後方を追走して、脚を使ってしまいましたけど。前走の天保山Sはオープン特別で59キロを背負って、今回は56キロですけどGIII。陣営は『斤量が軽くなると相手が強くなる』と言っていますね。ブライトラインと同じ8歳ですが、まだまだやれる馬です。これからも勝つまではともかく、掲示板には載れますよ。

デスク 高齢馬の活躍を見たいですよね。最近疲れ気味の自分への励みにもなりますし…というオチでいいですか?

仲TM …。

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