【沢田康文の欧州リポート】仏の名手ジャルネ引退…武もルメールも憧れた「アイドル」

2017.3.1 05:02

 2月24日に現役引退を表明したフランスの名手ティエリ・ジャルネ騎手は、歴代最多タイの凱旋門賞4勝(1992、94、2013、14年)など光輝ある成功を収めた。67年生まれの49歳。84年のデビュー後、仏リーディングは4度獲得し、仏国内で通算1万9412戦2304勝(GI48勝)。数々の名馬とコンビを組んだが、中でも名牝トレヴとのコンビは多くのファンにいまだ鮮烈な記憶として残る。

 フェアな騎乗に徹し、制裁が極端に少ないことで知られた。鞍から降りた人柄も紳士そのもので、若手騎手にとっての手本であり、後輩の一人であるクリストフ・ルメール騎手は「ボクにとって一番のアイドル」と公言してはばからない。その信頼は絶大で、マカヒキで挑んだ昨年の凱旋門賞の直前には、最終追い切りの併走パートナーへの騎乗を依頼したほど。ジャルネ騎手も快諾し、豪華併せ馬が実現した。

 94年に、当時25歳の武豊騎手がホワイトマズルで初めて凱旋門賞に挑んだ際、カーネギーで勝ったのもジャルネ騎手だった。引退の報に接した武豊騎手は「僕がフランスで騎乗し始めたころの若手ナンバーワンで、それからもずっとトップであり続けた。騎乗技術は卓越していました。本当にジェントルマンで、そんな姿も騎手としてかっこいいな…と、いつも憧れていました」と友人の引退を惜しんだ。

 昨年11月29日のドーヴィルで騎乗馬がゲート内で暴れた際に膝を強打。回復が思わしくなく、その後は騎乗を控えていた。ステッキを置く決断を下したジャルネ騎手は今後の去就について「しばらくは休息し、時間をかけて次の人生を考えていきたい」とコメントしている。 (在仏競馬記者)

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