【凱旋門賞】日本勢は「経験と戦略」必要

2014.10.6 12:14

 世界は甘くなかった。5日にパリ郊外のロンシャン競馬場で行われた世界最高峰GI「第93回凱旋門賞」(芝2400メートル)に挑戦した日本馬3頭は、ハープスター(牝3歳、栗東・松田博資厩舎)の6着が最高。ジャスタウェイ(牡5歳、栗東・須貝尚介厩舎)は8着、ゴールドシップ(同)も14着と、またも悲願は持ち越しとなった。優勝したのは4歳牝馬トレヴ。オルフェーヴル(2着)を破った昨年に続く連覇となった。

 夢はスタート直後に早くも打ち砕かれた。総勢20頭の混戦で、ゴールドシップは最後方、ハープスターは後方2番手からの追走。ジャスタウェイでさえも後方から4番手だった。一度も走ったことのないロンシャンで、届くのか…。不安はそのまま現実となった。

 最も見せ場があったのはハープ。直線大外から突っ込んできたが、それも直線の途中までだ。はるか前でスパートしていたトレヴに届くはずもなかった。

 ジャスタの福永祐一騎手は「行き脚がつかず、ポジションが後ろになってしまった」。ハープの川田将雅騎手は「いつもどおりの競馬をということで、馬はよく頑張ってくれた。結果を残せなかったことは申し訳ない」。ゴールドの横山典弘騎手は「世界は甘くない。日本と変わりなく彼の好きなように走っていた」。福永騎手の「前残りだったし、結果論だけど積極的な競馬をしてもよかった」という言葉が空しく響く。

 一方、トレヴはインの5~6番手をガッチリとキープ。そのまま突き抜けたティエリ・ジャルネ騎手の鮮やかな手綱さばきとは対照的だった。

 ドバイDFを勝ちランキング世界No.1のジャスタ、宝塚記念を連覇したゴールド、札幌記念を勝った桜花賞馬ハープ。それぞれ日本が誇るエースだったはずだ。

 ただ、オルフェーヴルが2年連続2着だったレースに臨むには、何かが足りなかったことは否めない。これまで2着に入った99年エルコンドルパサー、10年ナカヤマフェスタ、12&13年オルフェはすべて前哨戦のフォワ賞を使い、フェスタの2着以外は勝っている。

 それが今年の3頭はぶっつけの仏初戦。ジャスタに至っては安田記念以来だ。トレヴはヴェルメイユ賞、2着フリントシャーもフォワ賞と前哨戦を使っていた。昨年4着の日本ダービー馬キズナもニエル賞を勝っていたことを思えば、前哨戦は使ったほうが正解だ。

 ジョッキーの経験の少なさもある。エルコンが挑戦した99年、蛯名騎手は凱旋門賞前に5月、7月、9月とフランスの重賞で手綱を取った。フェスタもその蛯名騎手。オルフェにはフランスの名手クリストフ・スミヨンが騎乗していた。

 日本馬がなぜ勝てないかについて、ジャルネが言う。「フランスの、特にロンシャンの芝コースは起伏が大きく特殊だ。経験の差が大きいんだ。それと凱旋門賞には戦略が必要なんだ」。日本勢にはズシリと響く言葉だ。

 昨年まであと一歩と迫りながら、またも遠のいた凱旋門賞。日本でただ強いだけでは勝てない事実を突きつけられてしまった以上、アウェーで勝つにはどうしたらいいのか、今まで以上に戦略を練るしかない。(夕刊フジ)

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