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2014.6.1 17:33

【ダービー】橋口弘次郎調教師 悲願のダービー制覇

ワンアンドオンリーでダービーを制し、タオルで目頭を押さえる橋口弘次郎調教師

ワンアンドオンリーでダービーを制し、タオルで目頭を押さえる橋口弘次郎調教師【拡大】

 2016年2月いっぱいで定年を迎える橋口弘次郎調教師(68)=栗東=にとって、ダービー制覇まで残されたチャンスは今年を含めて2回しかなかった。来年、出走できる保証はどこにもない。

 「今回こそ、勝ってうれしいダービーにしたい」

 戦前にそんな言葉を口にしたのも無理はない。1990年のツルマルミマタオー(10番人気4着)に始まり、これまでに19頭の管理馬を送り込んできた。現役調教師のなかで最も多い、のべ20頭目の挑戦。その中には、ワンアンドオンリーの父ハーツクライを含めて、4度の2着があった(96年ダンスインザダーク、04年ハーツクライ、09年リーチザクラウン、10年ローズキングダム)。ダービーの重みを誰よりも知っているホースマンといってもいいだろう。

 昨年暮れに、出世レースとして知られるラジオNIKKEI杯2歳Sを勝った後から、ワンアンドオンリーについて「ダービーでチャンスのある馬」と言い続けてきた。自ら手がけたハーツクライの産駒でもある。

 「調教師人生の集大成」

 このダービーを、そう位置付けて挑んだ。

 おおらかで懐の広い人柄と、勝負にかける情熱を飾らずに表現することから、関係者にもマスコミにも“橋口ファン”は多い。横山典弘騎手が「いつもお世話になってきたので、何とか頑張って勝ちたいと思っていました」と口にしたのも、リップサービス抜きの本音だろう。

 ついに手にしたダービートレーナーの栄誉。

 「何というか…言葉で表現できません。ダービーは別格ですね。辞めてもいいくらいです」

 残り2年弱となった調教師生活を終わらせてもいい、とまで情熱を注ぎ込んだダービー。トレーナーのガラガラにかれた声と放心したような表情は、見事に集大成を飾ったホースマンの喜びを表していた。

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