今年は松戸競輪場で開催された千葉競輪開設69周年記念『滝澤正光杯in松戸』(GIII)は最終日の16日に第12Rで決勝が行われ、村上義弘(44)=京都・73期=が坂本貴史の先行をまくり切ってV。同選手のGIII優勝は昨年7月の小松島記念以来34度目(旧制度を含む)で、これが今年初優勝だった。次走は11月1日からの防府記念の予定。
後輩に支えられてたどり着いた決勝。今年初Vのチャンスを逃すわけにはいかなかった。単騎で決戦に臨んだ村上義弘は、「単騎でできることは限られていますからね。落ち着いて走りました」。青板から上昇し先頭に立った坂本が山岸を相手に先行勝負を選んだと感じ取ると、“直感”を信じて坂本-諸橋の後ろでチャンスをうかがった。そして最終BSから踏み上げ、ゴール線を真っ先に駆け抜けてみせた。
「今回はケンタ(稲毛健太)が(二次予選と準決勝で)頑張ってくれて決勝に乗ることができたので、凡走だけはしないようにと思っていました。ファンの声援のおかげで、現状の力以上を出すことができました。勝てて良かったです」
今シリーズは「自転車との一体感が感じられていない」と万全の状態ではなかったが、それでも気迫のこもったレースでVをもぎ取ると、思わず笑みがこぼれた。さらに今大会は、「滝澤さんのレースを見て、選手になりたいと思ったんです。だからフレームの色も同じ水色にしているんです」と選手を目指すきっかけとなった滝澤正光・日本競輪学校校長の冠レースだっただけに、喜びもひとしおだったことだろう。
「今年は(16日時点で賞金ランク4位で)グランプリに出場できそうなので、調子を上げられるように一戦一戦、頑張ります」と年末の大一番へ向け、さらに勢いを加速させる。
《決勝VTR》単騎で前を取った村上に山岸佳太-神山拓弥-飯嶋則之-尾崎剛が続き、その後ろに鈴木裕-成清貴之。後方の坂本-諸橋愛が青板から上昇し赤板からスパート。6番手に下げた山岸が打鐘で強引に仕掛けるも出切れず。鈴木が内を突いて坂本後位で諸橋と併走となり、村上が最終BS3番手からまくり切る。
《12R・決勝》調子上向きの神山にVチャンスが巡ってきた。準決勝(11R)は逃げる山岸の番手から1着。山岸を2着に残し、飯嶋を3着に連れ込めたのは余裕があったからこそ。
ここはライン4車となった山岸が勢い良く飛び出していきそうで、神山が番手有利に勝ち切る。村上がまくりで迫り車連単〔9〕⇔〔2〕。
◆鈴木「郡司君のおかげだけど、脚の感じは良かった。流れを見ながら自力」
◆村上「稲毛君と勝ち上がりたかったけど、鈴木君が伸びてきたので…。単騎」
◆諸橋「立て直して勝ち上がれたし悪くはない。お世話になっている坂本君へ」
◆山岸「神山さんが番手で心強かったし、落ち着いて駆けられた。先行主体に」
◆成清「準決勝は激戦区だったし、逆にチャンスはあると思っていた。鈴木君」
◆飯嶋「展開が向いても調子が良くなければ決勝には乗れないので。神山君へ」
◆坂本「積極的に攻めたら(吉沢の)番手にはまるいい展開になった。自力で」
◆尾崎「余裕を持って走れるようになってきた。お世話になっているし茨栃へ」
◆神山「山岸君のおかげだけど、準決勝の感触はすごく良かった。また任せる」
《11R・特別優秀》郡司の機動力が一歩リード。細切れ戦となるここは、中団以内キープからのまくりで決着をつける。伊勢崎へ車連単〔2〕〔7〕。
◆山崎「自力基本に戦う」
◆郡司「流れ見て自力で」
◆北野「広田君の番手で」
◆荒沢「山崎君に任せる」
◆香川「吉本君を目標に」
◆渡辺「中部勢の後ろへ」
◆伊勢崎「郡司君一本で」
◆広田「いつも通り自力」
◆吉本「自力で勝負する」
《10R・特別優秀》ダッシュ力抜群の稲毛に期待する。細切れ戦をライン3車で戦えるのは有利で、好機に仕掛けて押し切る。山内へ車連単〔9〕〔7〕。
◆伊藤「中近の3番手で」
◆吉沢「いつも通り自力」
◆福田「菅原君に任せる」
◆竹内「吉沢君にマーク」
◆荒井「流れ見て前々へ」
◆菅原「自力で勝負する」
◆山内「稲毛君を目標に」
◆原田「荒井さんの後ろ」
◆稲毛「流れを見て自力」
まさに地元の意地-。鈴木裕が3日目第12Rで2着に入り、ファイナル進出を果たした。第11Rでは山中秀将、和田健太郎が着外に沈んでいただけに、「何とか地元から決勝へという気持ちでした」といつも以上に気合を入れて臨んだ一戦だった。
3番手の成清貴之も3着で準決勝をクリアしたが、ラインの先頭で戦った郡司が惜しくも4着に敗れると「強引にでも仕掛けてくれた郡司君のおかげです。一緒に勝ち上がりたかったけど…」と複雑な表情でクールダウン。それでも「前回から使っている新車の感じも体調もいいので、決勝には乗りたい」と自ら掲げた目標をクリアしたことについては、「本当に良かったです」と口元を緩めた。
決勝へ向けては、「自力で。成清さんと決めたいですね。郡司君や南関の仲間のおかげで勝ち上がれたので、そのぶんまで頑張らないと-」と自らを奮い立たせていた。2011年7月にGIII初Vを飾った思い出の地で、2度目のGIII優勝を目指す。
千葉競輪の開設69周年記念『滝澤正光杯in松戸』(GIII)が、13~16日の日程で行われる。千葉競輪場は多目的スポーツ施設へと生まれ変わるため再整備中で、今年は松戸競輪場での借り上げ開催となる。
激戦必至のシリーズとなりそうだが、好気合の地元勢が一歩リード。和田健太郎は「昨年は決勝で9着に敗れているので、今年はリベンジしたい」と雪辱に燃えている。前走の寛仁親王牌(GI)では準決勝で敗退したものの、鋭い差し脚は健在で、6月の函館以来となる2度目のGIII優勝を狙う。
山中秀将も調子は上々。昨年は佐藤博紀にVをさらわれて2着と悔しい思いをしたが、2012年8月に通算100勝を達成した思い出の地で“借り”を返す。
伊勢崎彰大も師匠の冠レースとあって気合は人一倍。地元地区の郡司浩平や福田知也らと一致団結し、シリーズを盛り立てる。
唯一のSS・諸橋愛も侮れない。練習中のけが(右足の甲を負傷)からの復帰戦となった前回の寛仁親王牌は決勝進出はならなかったが、レースを重ねるごとに調子を上げて手応えをつかんだ様子。復調気配の池田勇人や、積極性ある吉沢純平、山岸佳太らが勝ち上がって好目標を得ることができればチャンスは十分だ。
実力者・村上義弘も黙ってはいない。決勝は目標不在になる可能性もあるが、好位確保からのまくりで逆転をもくろむ。北日本からは、昨年500バンクで行われた最後の千葉記念の優勝者となった佐藤博紀らが参戦。山崎芳仁や永沢剛、坂本貴史らと結束して見せ場を作る。また、底力ある原田研太朗、北津留翼、荒井崇博らの走りにも注目したい。
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