川口オートの『サンケイスポーツ杯・GI開設68周年記念グランプリレース』は8日の第12Rで優勝戦が争われ、若井友和=川口・25期=が最終3角で気迫の差しを決め1着。大会3度目&GI・6度目となるVを達成し、賞金300万円を獲得した。GI初制覇を狙った加賀谷建明は、終盤まで逃げ粘ったが惜しくも2着。3着には中村雅人が入った。
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気迫の突っ込みが勝利をたぐり寄せた。4番手スタートの若井が、4周回で2番手へ浮上し、逃げる加賀谷を追って残り1周へ。ドラマは最終3角に待っていた。迷わずインに飛び込んで先頭でゴールした。
「スタートで展開が悪くなりかけたけど、早めにリカバーできた。自分らしいレースができました。最後に抜くのがオートレースの美学。自画自賛のレースです」
決して順風満帆なシリーズではなかった。マシンの仕上がりは劣勢ムードだったが、準々決勝では快Sを決めて1着条件の勝負駆けをクリア。準決勝は得意の湿走路で快勝したものの、「良走路では全体的に足りない」と弱気なコメントを口にしていたが、ファイナルでは一変した。
「駄目元でやっていないセッティングにしたら試走の感じが良くて、自分でもびっくりした」
ここ一番で機力を急上昇させ、大会は3度目、通算では6度目のGIVを飾った。
「この年でタイトルを取れるのはうれしいです」としながらも、浮かれた様子はない。
「また忘れたころに取れるようにね。アベレージのいい選手じゃないから。一般戦でも常に3着以内に入れるように。ファンの人もそれを求めているから、その繰り返しです」
地元の頼れる支部長は、常に一戦一戦のスタイルで奮闘を続ける。(渡辺寿輔)
■若井 友和(わかい・ともかず)1974(昭和49)年2月16日生まれ、45歳。埼玉県出身。97年4月に第25期生として登録され、同期には永井大介、森且行(ともに川口)、有吉辰也(飯塚)らがいる。開設記念GPは2002年3月の50周年、15年3月の63周年に続く5大会ぶり3度目のVで、GIは6度目の制覇。04年には当地SGオートレースグランプリで優勝している。通算成績748勝、47V。171センチ、53キロ。血液型A。