ボート:ニュースボート

2019.11.27 04:55

【目指せトップレーサー(78)】下寺秀和

下寺秀和

下寺秀和【拡大】

 ようやく気持ちに結果が付いてきた。下寺はデビュー14期目の前期(5月~10月)、自己最高勝率5・82をマークし、来年1月から初のA級に昇格する。

 「調整でまず乗り心地を求めるようにしてから少しずつ着が拾えるようになってきたのかなと思います」

 ボートとの出会いは小学校の時で、父親に連れられて行ったペアボート体験。「山口剛さんに乗せてもらいました」。当時、新鋭リーグで頭角を現し始めていた男の背中は下寺少年に強烈なインパクトを残した。

 運動歴は小学校から始めた柔道。ただボート選手になるという夢が変わることはなかった。「体重のことがあったので柔道は高1でやめました。今でも筋肉体質が変わらなくて、レースを走っているだけで筋肉がつく感じがするんです」。

 デビュー後は厳しい現実を突きつけられた。「大上(卓人)さんや、村松(修二)がA1に上がってすごく焦ってしまいました」。元々、前のめりになり過ぎる性格が災い。同世代の活躍で空回りしてしまった。

 ただ、そういう苦い経験も肥やしだ。「大上さんや村松の方が自分より努力をしてきた結果だと思っています。今はレースまでにしっかりと準備をして一走一走の気持ち走ることを心がけています」。結果はもちろんだが、それよりも過程を大切に取り組む日々だ。

 そして何より、家族の存在が大きい。同じ広島支部で2期後輩の奈美さん(旧姓・塚脇)と結婚。先月には奈美さんが現役引退、これからは専業主婦として下寺を支える。

 「子供ももう少しで2歳になるんです。まだよく分からないと思うけど、大きくなったとき、格好いい父親になっていたい。そのためにも家族のために命をかけて頑張ります」。

 一家の大黒柱としての責任感は増す。初優勝、A1と壁を乗り越えていく。(井置浩二)