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2019.8.14 04:58

【目指せトップレーサー(63)】佐藤謙史朗

佐藤謙史朗

佐藤謙史朗【拡大】

 三角筋、上腕、前腕など筋肉の盛り上がりがすごい!! まさに“筋肉男子”。人なつっこい笑顔とともにそれが佐藤の第一印象だ。

 「体操をやっていました。最初は小学校1年生ぐらい。本格的には小学校3年生ぐらいからかな。そのまま日体大にスポーツ推薦でいきました」

 体操一筋の青春時代。中学、高校と実績を重ね、最高峰の日本体育大学に進学した。ただそこはオリンピック個人総合2連覇の内村航平を筆頭に、想像を超える超エリート集団だった。

 「自分の同期はもちろん内村もそうですけど、とにかくすごかったですね。日の丸を意識している選手ばっかり。自分は結局、準レギュラーまでで、レギュラーにはなれませんでした」

 体操を続けるためには実業団入りがベストだが、そこは狭き門。自らの限界も悟ったことで違う道へ-。

 「ボートは福岡の大学に通っていた妹を通じて知りました。母からは『あなたは背が低いんだから目指しなさい』って言われた。自分は消防士になろうと思っていたんですけどね」

 メキメキと頭角を現した体操とは違い、やまと学校(現ボートレーサー養成所)の成績は下から2番目の劣等生だった。技術的にも苦労したが、それよりも精神面が厳しかった。

 「人と競うということが性格に合っていないと思うんですよ。体操は“魅せる”競技で、自分自身との戦いですからね」

 デビュー後もなかなか芽が出ず、苦しんだ。「(勝率)2点台が続いて首になりかけました。でもそこで『首なら自分に向いていなかっただけ』と思えたんです。点数を気にしなくなったら、逆に(同)5点近くまで稼げるようになりました」。現在は4期連続で勝率4点台をマーク。A級初昇級も見えてきている。

 ほとんどの選手が養成所で一からボートを学ぶ。それまでのどんな経歴がプラスに働くのか、正直、分からない。ただ、闘争心がなければはい上がっていけないことは確かだろう。ピットでの礼儀正しく誠実な応対は応援したくなる選手だ。“水上”でライバルをけ落とせる厳しさを持てるか-。ぜひ、栄光への航跡を描いてほしい。(井置浩二)