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2016.3.30 04:37

【想艇部】江崎一雄「GP獲るまで死ねん!」

江崎一雄

江崎一雄【拡大】

 波瀾万丈のボート人生だ。2011年5月のデビュー戦でいきなり優出(転覆)。スーパールーキーと騒がれた江崎だが、昨年8月の三国一般戦のレース中に落水。後続艇と接触し、両眼球打撲傷と左眼窩底骨折という重傷を負った。

 「(当時の)レースの記憶は全然ない。(左の)目が残っていること自体が奇跡なんですが、左側を見たら激痛が走って。医者からも(手術しても)高い確率で何かしらの後遺症が出るって言われた」。最悪の場合、失明する可能性まであったと言う。事故後、手術を受けた。顔の腫れが引き、ソッと目を開くと「目は見えたんですが、左目は1個の物が3個ぐらいに見えた。ああ、終わったなって思った」。選手生命の危機に陥り、引退の文字が頭に浮かんだ。だが、そんな江崎を支えたのはSNSに書き込まれたファンからの励ましの声だった。

 「こんなリスクを背負って、そこまで命を懸けて今後やっていけるのかって考えた。長い目でみたら普通の生活して、地元の友達とかとワイワイやった方が楽しんじゃないかって考えたけど、フェイスブックとかでいろんな人がコメントしてくれて。それを見て、一歩足を踏み入れた以上はやるしかないと思った」

 事故から3カ月後の芦屋一般戦で実戦に戻った。復帰戦は4着だったが「楽しかった。レースは負けて悔しかったけど、やっぱり(ボートレースが)好きなんだなって感じた。もう1億円を獲るまでは死なれんなって。あんな経験をしたし、今後僕は全選手の中で1位を目指す、その糧にしないといけない」。

 そんな江崎がグランプリで優勝する、その日までその活躍を見守りたい。(渡辺宏幸)