【太閤賞】木下翔太&長嶺豊氏~スペシャル対談

2016.2.19 05:06

 住之江ボートの開設59周年記念「GI太閤賞競走」は20日に開幕。“天下獲り”を懸けた6日間のバトルが繰り広げられる。地元・大阪支部期待の星、木下翔太(24)は大会初出場。本紙評論家の長嶺豊氏(72)が、お好み焼きをつつきながら、闘志あふれる若武者のホットな思いに迫った。

 長嶺 先月のからつ周年でGI初勝利。おめでとう

 木下 ありがとうございます。水神祭させてもらったんですが、むっちゃ寒かったです(笑)

 長嶺 一般レースの5日目に連勝。できれば予選で白星を挙げてほしかったと思っていたら、前節の尼崎近畿地区選でしっかりと予選で勝ってた。準優(4着)にも乗ったし、ホンマに頑張ってるわ

 木下 からつはエンジンがよかったし、仕上がりはずっとよかったんですが、リズムが悪かった。そこが反省点でした。尼崎はその反省を生かせたと思います

 長嶺 去年から結果が出てきた

 木下 去年は(2回)優勝もできたし、成績的にも充実してたと思います。A1にもなれて気持ちの面でもしっかりしないといけないなって思えたし、しっかりと走れた一年だったと思います

 長嶺 木下は両親ともにボートレーサー(ともに引退)だから“サラブレッド”やもんな。お母さんは木下を生んで辞めたから、(選手は)7、8年やったかな。僕は2人とも知ってるし、本当に喜んでると思うわ

 木下 今は僕も結婚して、別に住んでるんですが、家が近いので仕事が終わったら嫁と一緒に母とかとご飯に行ったときも喜んでくれてます

 長嶺 今は何歳やったかな? いつ結婚したんや

 木下 今年の4月で25歳になります。嫁さんとは高2の頃から付き合ってて(やまと学校の)訓練中も待っててくれました。デビューして1年ちょっと、21歳で結婚しました。子供もいますよ。女の子で2歳半になります

 長嶺 選手を目指したきっかけは?

 木下 両親はボートレーサーだったんですが、僕はボートを全然知りませんでした。高校まで野球をしてて大学の推薦ももらってたんですが、体格的にいけても社会人までちゃうかなって思いがあって。そのとき、テレビで(やまと学校)106期の訓練に潜入みたいな番組があったんです。大学へ行くか、働くか進路で悩んでたときで、それを見て自分の頑張りでお金ももらえるし、ボートレーサーになろうって決めました

 長嶺 受験は1回で通ったんか

 木下 試しで試験に受けたら通りました。選手になれて本当に良かったと思います。でも母はあまり(選手になることを)頑張っておいでって感じじゃなかったですね(苦笑)

 長嶺 いや、喜んでると思うわ。木下も子供が選手になりたいって言ってくれたらうれしいやろ

 木下 女の子ですし、まださすがに小さいので、そこまでは(苦笑)

 長嶺 師匠はクラちゃん(倉谷和信)やったな

 木下 気持ちの面でいろいろアドバイスをくれたりして、発奮させてくれます

 長嶺 大阪支部は松井繁とか、強い選手ばかり。憧れの選手とかは?

 木下 特にはいませんがこの前、師匠の倉谷さんと一緒にGIに出られたので、次はSGで一緒に走りたいと思ってます。あとはやっぱり松井さんですね。考え方とか、人間性もすごいなって思います

 長嶺 あれだけの実績を残してるし、絶対王者やからな。他ではどう?

 木下 昔から池田(浩二)さんのターンは好きなので、あんなターンができればとは思います

 長嶺 今年の目標を教えてもらえるかな

 木下 今は太閤賞と3月末のからつGIIで頑張って、オーシャンカップへ出られればって思ってます。あとは年間V5を飾って、来年のクラシックの出場権が欲しい。それとルーキーシリーズへ行ってる間にSGカッパを着たい。そこはイキってるだけなんですが。GIへ行ったら着てる人が多いし、格好いいなって思うんで。同期の小野(達哉)と一緒にルーキーでも無敵の大阪支部を作っていければ。盛り上げていきたいと思う

 長嶺 僕はインコースが大好きやったんやけど、1号艇以外ではどこが好き

 木下 (3)、(5)コースです。握れるから好きですね。差しはあまり得意じゃないので(2)コースとか、(4)コースはあまり好きじゃないです

 長嶺 GIあっせんが増えてきたけど、GIの雰囲気には慣れた

 木下 去年の宮杯を走ったんですが、楽しかったです。やっとスタートラインに立ったってワケじゃないけど、選手になった実感が湧いてきました

 長嶺 木下の魅力はなんと言っても、ターン力と思う。僕は住之江の1コーナーはかなりのスピードで回れたけど、2マークは怖かった。木下は2マークで強ツケマイをするから、本当にすごい

 木下 ありがとうございます。住之江の2マークはたぶん1番難しいですよね

 長嶺 最後に太閤賞の意気込みと今後について聞かせて

 木下 A1を守るのは最低限の目標ですね。今年は勝負の年だと思ってるし、SGとか上の舞台で走りたい。大阪支部はすごい人ばかりだし、SG、GIでその人たちと一緒に名を連ねて、戦えるようになれれば。尼崎地区選でGIで初めて準優に乗れたので、地元の住之江の太閤賞で優出することが目標ですね。地元で頑張ってアピールしたいと思います

◆木下 翔太(きのした・しょうた)1991(平成3)年4月3日、大阪府出身。24歳。大阪支部。108期。2011年5月、住之江でデビュー。昨年5月、からつで初優勝。住之江開催のGIは昨年の高松宮記念に続き2度目の出場(通算5節目)。今年の近畿地区スター候補選手に選ばれるなど、今後が期待される若手。主な同期に上村純一(群馬)、小野達哉(大阪)ら。父・真保敬義さん、母・木下裕美子さんはともに元ボートレーサー。通算優勝2回。生涯獲得賞金6877万8180円。今年の獲得賞金304万7000円。1メートル72。

◆長嶺 豊(ながみね・ゆたか)1943(昭和18)年11月5日、佐賀県出身の72歳。64年1月にデビュー。ガッツあふれるプレーで“浪速のドン”として長きにわたり活躍。93年10月に戸田でダービー優勝。49歳11カ月でのSG初制覇は最年長記録。グランプリには90、93年の2回出場。GIはV10。通算8510走、1着2338回。優勝73回。名人戦創設にも尽力した。2004年6月引退。大村ボート制定のボートレース殿堂入り。

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